私を助けてくれたのは…

昼食後の格闘 ページ30

Aside






体育が終わると次は地獄の現代文(国語)





更に昼食後だから余計に辛い





ただでさえ眠いのにあの子守唄のような先生の音読に耐えなくてはいけない







必死に睡魔と戦っている子もいれば、限界が来て既に夢の世界へ入りこんでいる子など様々だ






授業が始まって5分も立たないうちに、隣からはスースーと寝息が聞こえてくる





私はため息をついて、彼の肩を揺する






A「エンマ君、起きて…。先生がこっちへ来ちゃう…！」←最小限の小声





エンマ「うーん、りんご飴ぇ…。」




私の声に反応したのかそう呟いて、体制を変えるエンマ君


こちらを向いて何か言ったと思ったけど、起きる気配は全くない



もう、怒られても知らないわよ。



私はまたため息をついた




あ、男の子なのにまつげ長い。羨ましい…



寝顔も綺麗で、幼くて小さな子供みたい



寝言がりんご飴とか、すごく可愛いわ…






呆れつつも、そんな彼を見ていると頬が緩む






今日は沢山エンマ君に助けて貰ったな



今日会ったばかりなのに彼は私に優しく接してくれた




でも、なんだか彼とは初めてあった気がしないのよね



予知夢で見たからかな？



だけど、これ以上彼とは関わってはいけない




今までもそうだ





私に干渉しすぎたせいで、いつも夢の通りの結果を招いている




そんなのもう無理、耐えられない




けれど、それさえ守ればあの夢の通りにはならないのだから





その前にエンマ君に助けて貰ったお礼しないとね…





それっきり、もう彼と関わるのはよそう







そう心に決めるとなんだか眠くなってきてしまい、私は静かに目を閉じた






授業終了後、居眠りでエンマ君と二人揃って怒られるのはまた別のお話。

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