04.エンマ邸の雛祭り〜4 ページ5
「お前、朝っぱらから出てったきりでどこ行ってたんだよ！お前がそばにいねぇから、オレはっ…。」
そう言い掛けてオレはハタと気付く。
バタバタと近付いてくる足音と黄色い声に身震いをして、オレはAの手を掴むと手近なドアを開けた。
「え？…きゃあっ！」
Aと二人、部屋に飛び込むと素早くドアを閉め、息を殺して外の様子をうかがう。
バタバタという足音が通り過ぎるのを確認すると、オレは深い溜息をついた。
「ふぃ〜、とりあえずなんとかなった…。」
「なんとかって…なによ。」
少し不機嫌そうなAの声に思わず顔を上げると、案の定Aは怪訝そうにオレの顔を覗き込んでいた。
「急にこんなトコへ引っ張り込んで…、なんなのよ。それにその帽子…。」
オレの頭上に飾られた冠を指差して不思議そうな顔をしているAに、オレは再び大きな溜息をつく。
「これはお内裏様の証なんだと。今この屋敷では『雛祭り争奪戦』の真っ最中なんだぞ。知らねぇのか？」
オレの説明にキョトンとした目を向けるAにムッとしながら、オレは話を続けた。
「なんだかよく分からねぇが今年のお内裏様はオレなんだよ。さっきのやつらはお雛様希望の女たち。ずっと追っかけられた大変だったんだぞ。」
するとAは途端にプイッとそっぽを向いた。
「へ〜ぇ。大層オモテにになるのね、エンマ大王様？」
ブラックオーラ満載の刺々しい言葉にオレはカチンときて文句を返す。
「そんなんじゃねぇよ！お前こそ、ずっと姿を見せないで何やってたんだよっ！」
オレの言葉にAは何かを思い出したのか、にっこりと笑うと小さな箱を取り出した。
「今日は雛祭りでしょ？エンマくんに雛祭りケーキを食べて貰いたくて、葉月ちゃんと一緒に朝からずっと作ってたの。」
差し出された箱を空けると中にはイチゴのデコレーションケーキが入っていた。
そしてその中央にはお菓子で出来た小さな人形が沢山並んでいる。
「なんだよ、コレ。」
オレがその人形たちを指差すと、Aは嬉しそうに笑った。
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西 - この方角に福があるはずです
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湖月さくら(プロフ) - わたあめさん» わたあめ様。ご覧いただきましてありがとうございます。最高だなんて…、とても嬉しいです。魔法のリップ、私も欲しいです。そしてそばにはエンマ大王様がいてくれたらなぁ。これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 (2018年9月27日 0時) (
レス) id: 695ea5332b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 魔法のリップが欲しいです！！エンマ大王 最っ高です！二回も鼻血出てきました・・・ お気に入りにしてます！ (2018年9月25日 10時) (レス) id: 00825b5b1e (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - アミュレットさん» アミュレット様。いつもありがとうございます。こちらの番外編はのんびり更新なので少し時間が空いてしまいました。チェリーを題材にしたキスのお話。楽しんでいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年6月8日 2時) (レス) id: ec1992481f (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット(プロフ) - 久しぶりの番外編とってもドキドキしました！ありがとうございます！！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: ca1512717a (このIDを非表示/違反報告)
あっきーさんです - はい！(*>∀<*)ﾉ頑張ってくださいね(*>∀<*)ﾉ応援しています(*ゝω・)ﾉ (2018年5月25日 19時) (レス) id: 18b6bbad32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湖月さくら | 作成日時：2017年8月20日 2時
