18.幻想夢奇譚〜5 ページ21
「お、おい。お前、大丈夫か！？」
その問いかけになんだか内緒で悪い事をしてしまったような気持ちがして、いたたまれずに顔を手で覆ったままそのまま固まる。
するとエンマくんはふぅと息を吐いたのち、私の手をゆっくりと顔からはがした。
オズオズと見上げる私の瞳に心配そうなエンマくんの顔が映る。
その時頭の中で覚醒エンマくんの言葉が甦った。
――『お前の本当の言葉が聞きたい。』
夢の中では伝えられなかった言葉。
覚醒エンマくんの言葉に導かれるかのように私の口からは自然と言葉が漏れていた。
「好き…。私も、エンマくんのこと…好き。」
静かな部屋に私の小さな呟きだけが響く。
エンマくんは目を見開いた後、かぁっと顔を真っ赤にしてプイと顔を逸らせた。
「なっ、…急になに言って…。」
腕で顔を隠してはいるが耳まで真っ赤になっているのは隠しきれていない。
「…不意打ちはやめろよな。いつも言わない分、破壊力が抜群なんだよ…。」
ブツブツと文句を言いながら一向に私の方を見ようとしないエンマくんに私はキョトンとした顔を向ける。
(もしかして…照れてるの？)
いつも余裕たっぷりで私の事など全てお見通しで、いつだってエンマくんのいいようにされてしまっている私にとってこの状況は珍しいものだった。
胸いっぱいに嬉しさが込み上げてきて私が思わずクスクスと笑い出すと、エンマくんはムッとしてやっとこちらを向いた。
「…なに笑ってんだよ。」
そう言って睨む姿も可愛くて可愛くて仕方がない。
可愛くてかっこよくて時に意地悪で…。
そしていつもトコトン甘い…。
そんなエンマくんが、私…。
「大好きよ。」
今度こそはっきりと告げた言葉にエンマくんは再びボッと顔を真っ赤にする。
そして先程と同じように何やらブツブツと言い始めた。
「…だから不意打ちはやめろよな。可愛すぎるんだよ…。」
「え？なんて言ったの？」
「…。」
言葉が聞き取れず尋ねるとエンマくんはムッとした顔をして溜息をついた。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湖月さくら(プロフ) - わたあめさん» わたあめ様。ご覧いただきましてありがとうございます。最高だなんて…、とても嬉しいです。魔法のリップ、私も欲しいです。そしてそばにはエンマ大王様がいてくれたらなぁ。これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 (2018年9月27日 0時) (
レス) id: 695ea5332b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 魔法のリップが欲しいです！！エンマ大王 最っ高です！二回も鼻血出てきました・・・ お気に入りにしてます！ (2018年9月25日 10時) (レス) id: 00825b5b1e (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - アミュレットさん» アミュレット様。いつもありがとうございます。こちらの番外編はのんびり更新なので少し時間が空いてしまいました。チェリーを題材にしたキスのお話。楽しんでいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年6月8日 2時) (レス) id: ec1992481f (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット(プロフ) - 久しぶりの番外編とってもドキドキしました！ありがとうございます！！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: ca1512717a (このIDを非表示/違反報告)
あっきーさんです - はい！(*>∀<*)ﾉ頑張ってくださいね(*>∀<*)ﾉ応援しています(*ゝω・)ﾉ (2018年5月25日 19時) (レス) id: 18b6bbad32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湖月さくら | 作成日時：2017年8月20日 2時
