01.エンマ邸の雛祭り〜1 ページ2
本日は三月三日。
年に一度の女の子の節句、雛祭りの日。
ここ妖魔界においても毎年それは華やかに催されていた。
そして我らが大王の屋敷、エンマ邸においてもそれは例外ではなく、朝から女性たちの楽しげなはしゃぎ声が屋敷中をこだましていた。
――ただ一つ、執務室を除いては…。
――――
「なぁんでオレが今年のお内裏様なんだよ。」
ブスッとした顔で睨み付けるオレに、ぬらりはしれっとした表情で淡々と答える。
「まぁ、わたしも理解しかねますがね。どうして今年はよりにもよってエンマ大王様なのか…。」
三月三日におこなわれる桃の節句――つまり雛祭りは簡単に言うと、雛人形を飾り女の子は綺麗に着飾って楽しく過ごす行事である。
大分簡略化した説明だが…。
しかし、ここエンマ邸においては少し勝手が違っていた。
「毎年私がお内裏様に選ばれていたというのに、今年に限ってどうしてこんなお子ちゃまが…。」
「…さりげなくオレを
ブツブツと文句をいっているぬらりを睨みながら、オレはふぅ〜と大きな溜息をつく。
ここエンマ邸では、雛祭り当日女の子は勿論、全ての女妖怪達はその年のお内裏様に選ばれた男性に手作りの菓子を渡すのが通例だった。
そしてお内裏様がその菓子を食べ、一番美味しいと判定された者がその年のお雛様となる訳である。
そのお内裏様の役は女性達による人気投票で決められ、毎年ぶっちぎりでぬらりが選ばれていた。
「エンマ大王様が選ばれたのは謎にしろ、とにかく選ばれてしまったからには仕方ありません。」
そう言いながらぬらりはオレに黒い帽子のようなものを被せる。
「ん？なんだよ、コレ。」
その帽子を手で取り、マジマジと見つめているオレに対してぬらりはフフンと鼻を鳴らした。
「それは私が作ったお内裏様専用の
ぬらりの差し出した「釵子」なるものを受け取ったオレは、それを怪訝そうに見つめた。
後ろに櫛のようなもののついたそれは、ぬらりに言わせると選んだお雛様の頭につけるのだという。
「こんなんつけたって所詮、パチモンだろ。」
するとぬらりは待ってましたとばかりに意気込んだ。
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
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湖月さくら(プロフ) - わたあめさん» わたあめ様。ご覧いただきましてありがとうございます。最高だなんて…、とても嬉しいです。魔法のリップ、私も欲しいです。そしてそばにはエンマ大王様がいてくれたらなぁ。これからも楽しんでいただけるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。 (2018年9月27日 0時) (
レス) id: 695ea5332b (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 魔法のリップが欲しいです！！エンマ大王 最っ高です！二回も鼻血出てきました・・・ お気に入りにしてます！ (2018年9月25日 10時) (レス) id: 00825b5b1e (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - アミュレットさん» アミュレット様。いつもありがとうございます。こちらの番外編はのんびり更新なので少し時間が空いてしまいました。チェリーを題材にしたキスのお話。楽しんでいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年6月8日 2時) (レス) id: ec1992481f (このIDを非表示/違反報告)
アミュレット(プロフ) - 久しぶりの番外編とってもドキドキしました！ありがとうございます！！ (2018年6月7日 21時) (レス) id: ca1512717a (このIDを非表示/違反報告)
あっきーさんです - はい！(*>∀<*)ﾉ頑張ってくださいね(*>∀<*)ﾉ応援しています(*ゝω・)ﾉ (2018年5月25日 19時) (レス) id: 18b6bbad32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湖月さくら | 作成日時：2017年8月20日 2時
