342.三婚の儀 ページ9
それからオレは三段に重なった盃の一番上にある、小さな盃を手に取る。
「これは『三婚の儀』の盃だ。ほれ、昼間お前が姿を消したからやれなかったやつだよ。」
「『三婚の儀』?」
不思議そうにオレの手の中の盃を見つめるAにオレは静かに頷いた。
「ああ。盃を交わして夫婦の契を結ぶ…。人間界で言うところの三々九度の儀式といったらわかりやすいか?」
オレの言葉にAは納得したように頷くと朱三宝(しゅさんぽう)に用意された提子(ひさげ)を見て首を傾げた。
「でもちょっと待って。酌み交わすのはお酒でしょ?未成年がお酒を飲んじゃ駄目じゃない。」
「あのな〜。オレをいくつだと思ってんだよ。少なくともゆうに百歳は超えてるぞ?」
「ええ〜、そうなの!?」
驚きを隠せないAは口元に手を当てて考え込んでしまう。
「ということは、つまり私はおじいさんの元へ嫁いだと…。」
「だ〜れがおじいさんじゃい!」
オレが眉間に皺を寄せて睨むとAはゴメンゴメン冗談よ、と謝った。
「エンマくんはいいにしても私はまだ未成年だもの。お酒はやっぱり駄目だわ。」
(出たよ…。Aの優等生っぷり。)
久々に出たAの生真面目さにオレは深く溜息をついた。
「今はお前、妖怪だろ?人間界の法律なんて持ち出すなよ。いいからさっさとやっちまおうぜ。」
「でも…。」
それでも渋るAに無理やり提子を持たせ、オレは一つ目の盃を差し出した。
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湖月さくら(プロフ) - ひな さん» ひな様。はじめまして。ご覧いただきましてありがとうございます。私もエンマ大王様大好きです!格好可愛いエンマ大王様を目指してがんばりますのでこれからもよろしくお願いします。 (2017年3月18日 12時) (レス) id: f0b6964fc9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - エンマ大王様はとてもかっこいいエンマ大王様大好き (2017年3月18日 9時) (レス) id: 0ba4824092 (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - イナホ×千尋さん» イナホ×千尋様。そうですね。子育てに追われる二人もまた見てみたいですね。素敵な未来となりますように。 (2016年10月29日 10時) (レス) id: e16ea53643 (このIDを非表示/違反報告)
イナホ×千尋 - あーっ、二人の子供がどんなに可愛いのか!と想像してしまう小学5年w (2016年10月27日 16時) (レス) id: f1998988fc (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - 桜坂さん» 桜坂さん。リア充とはなるほど。(笑)平和な二人は描いてて楽しいです。ありがとうございました。 (2016年10月8日 2時) (レス) id: e16ea53643 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖月さくら | 作成日時:2016年9月29日 2時