271.あなたへ贈るララバイ ページ20
「現エンマ大王様には、先代エンマ大王様のご子息、つまり現エンマ大王様のお父上様がいらっしゃいます。ですが、細君、つまり現エンマ大王様のお母上様がお亡くなりになられた時より行方知れずとなってしまわれました。その為、このお屋敷に現エンマ大王様の血縁者は一人もおりません。」
(そう、だったんだ…。)
その話を聞いて、私はあの時のエンマくんの呟きがストンと胸に当てはまったような気がした。
『王というのは孤独と寂しさを伴うもの』
――いつかのあやとりさまの言葉が蘇る。
(エンマくんの場合、それ以上に本当の孤独をずっと味わってきたのかもしれない。)
そんな風に思って俯いていると、女官長の凛とした声が響いた。
「元々人間から妖怪になった者には、血縁関係などありません。そう考えるとエンマ大王様もとりわけ特別ということではないのですよ。」
「そうなんですか?」
「はい。――ですが、それをA様がどう感じるかはA様の自由です。わかりますか?」
それから女官長は優しく微笑んだ。
『オレを一人にしないでくれ…。』
この前エンマくんは確かにそう言っていた。
もしもエンマくんの中に一人きりだという寂しさがあるのなら、私は今何をしてあげられるのだろうか。
私は自分の左手で光る金の腕輪を見つめながら、そんなことをぼんやりと考えていた。
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湖月さくら(プロフ) - ベリーさん» ベリー様。嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!いえいえ、そんな…。私なんてまだまだへなちょこなんです。これからもどうぞ応援してくださると嬉しいです♪頑張りますね。 (2016年7月19日 2時) (携帯から) (レス) id: 1d11343d74 (このIDを非表示/違反報告)
ベリー - さくら様の作品、拝見させて貰っています。さくら様はいつもご丁寧で、とても優しい作者様だと思っています。これからも更新、頑張ってください。応援しております!長文失礼しました。 (2016年7月18日 5時) (レス) id: f3f123ed94 (このIDを非表示/違反報告)
湖月さくら(プロフ) - siriさん» siri様。1から読んでくださってありがとうございます!よい作品だなんて嬉しいです♪楽しんで頂けるように精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いします。 (2016年7月11日 2時) (携帯から) (レス) id: 1d11343d74 (このIDを非表示/違反報告)
siri - 一から全て読ませていただきました!とても良い作品だと、思います。これからも更新頑張ってくださいね♪ (2016年7月10日 11時) (レス) id: 3ad9e7bd58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湖月さくら | 作成日時:2016年6月29日 2時