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隣に座ると差し出されるマグカップ。誕プレのお返し、と二人で買ったもの。愛用のマグも持ってきているからあるんだけど、わざわざ買ったんだから使いたくなるし、一緒に家にいるんだからそういうのもありだと思う。

「…風邪?」

「んー、おつかれでちょっと熱出てるだけです。」

今日は早めに寝ますよと笑う。目の前にあるお茶菓子は仙台土産である。

「帰ってきて玄関でフラフラしてるから変だと思った。」

昨日ホテルに帰って眠りにつき、起きてからの体の重みにびっくりしたのだ。紫吹さんに調子が悪いからチェックアウトギリギリまで伸ばしてくださいとお願いして爆睡。軽く観光してから帰る予定だったけど、結果、体力が持たずホテルから駅まで直行だった。

「お疲れ様だし、飲んだらサクッと風呂入って寝れる?」

「そうします。」

うー、疲れた…なんてソファーの背もたれに全体重をかける。ぼーっとその辺の壁を見つめていると頭に手が乗っかる。

「…映画館で見ててさ」

「、……」

「めっちゃ良かった」

必死な顔が灰人そっくりで、と笑われてしまう。

「新曲も移動とか多そうだったし、上下に動くのも多かったから柔軟とか凄い大事なのに、祐と息合わせてて。かっこよかった。」

そんなに、と目線がだんだん逃げていくが余計に頭をクシャクシャと撫でられる。

「幕張の後褒めちぎってくれたから、お返し。」

「…仕返し、じゃないんですか」

「はは、かもね。」

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作者名:東城つばさ | 作成日時:2021年7月24日 0時

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