きっと、ぜったい、だいじょうぶ。【榎i木l淳i弥】

22 ページ23

本日何度目かの「お疲れ様でした」を発して、店を出て曲がる。

「入金額が合わない！端末決済の数が合わない！」と騒ぎ立てる後輩たちの元に駆けつけて、全てを処理してこの時間。22時15分過ぎだ。
高校生は早々に帰して、もう1人大学生と一緒にパソコンとレジと大量のレシートを倒したところ。

はぁ〜とひとつため息をついて帰路につく。
駅から5分の職場、そこからもう10分先の自宅。そこそこの立地とそこそこの家賃に、毎月の支払いの度に頭を抱えるのはここだけの秘密だ。
帰りに寄ったコンビニで今日の夕飯になるサラダと明日以降の朝ごはんになる食パンを購入して、店を出る。

自炊は得意だ。特技料理と謳うくらいには確かに得意ではあるが、それと同時にだからこその面倒くささも知っている。なのでしない時はとことんしないに限る、と決めて過ごしている。
楽はしてなんぼだ。


ついたアパート、2階の角部屋である自分の家の鍵を開けて、小声のただいまと共に帰宅した。

荷物を置く、上着を脱いでかける、手洗いうがい、若干濡れたままの手で朝脱ぎ捨てた部屋着を掴んで着替える。この時点でだらしなさは丸わかりだけど、そんないちいち一人暮らしでカッコつけてられないし、私はいち早く台本チェックして寝たいのだ。

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す