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名前のない毒2 ページ47
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いつかの楽屋で、スマホをいじりながら海人が言った。
｢ねぇ｣
｢ん？｣
｢この世で1番恐ろしい毒って何か知ってる？｣
｢なに？｣
｢名前のない毒なんだって｣
｢どういうこと？｣
｢ほら！これ見て！｣
そう言ってスマホを差し出される。
そこに表示される記事に記載されていた。
“すべての物質は毒であり、毒でないものはない。用量が毒と薬を区別する”
ほどよい愛情は癒しとなる。
それやったら深すぎる愛情は？
“愛情” なんて言葉じゃ足りないほどのものを俺にくれる紫耀。
お前がくれる “それ” のせいで、俺は もう 麻痺してもた みたいや。
周りが見えなくなるほどに。
癒し なんて可愛いもんやない。
紫耀は？
俺に麻痺してくれてる？
この愛情を
もっと
もっと
たくさんあげたら
紫耀は 麻痺してくれる？
一緒に侵されようや。
俺たち2人で。
この “名前のない毒” に。
fin
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作者名：ゆうき | 作成日時：2019年10月8日 1時
