君の存在 おまけ ページ32
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紫耀が険しい顔をして 廉を連れ出した日。
たぶん あの後2人で話し合ったんだろうなぁ。
あの日、廉が流した涙の理由を 俺は知らない。
でも、その涙が 紫耀のために流されたものだってことくらいは 俺にだってわかる。
2人、どうなっちゃうんだろう。
俺が辛かった時期を支えてくれた2人だから、応援したい気持ちもある。
でも、簡単には捨てきれない気持ちもある。
だから、廉が悲しんでるなら 俺が寄り添っていたい。
悲しみの1番近くにいたい。
涙を流す君を見て、そう思った。
もし 悲しみを纏って来たなら 、全力で君のそばに駆け寄ろう。
俺がいるから、彼の代わりにだってなるよ、ってちゃんと伝えよう。
どんな表情で来るのかなって思いながら 楽屋の扉が開くのを待っていた。
ようやく開いた扉の向こうには、満面の笑みで笑い合う2人。
何がそんなに面白いの?って思うほど くだらないことで笑いあっている。
そんな2人から 幸せオーラが滲み出ていて、あぁ、上手くいったんだぁ ってすぐに分かった。幸せそうな2人を見ていると、こっちまで 自然と笑顔になる。
...だから チクリとした 心の痛みには気づかないフリをした。
「かいと〜!ちょっと ギター教えてくんないっ?」
2人を眺めていると、岸くんに呼ばれた。
「え〜、ジンに教わんなよ」
「神宮寺 まだ来てねぇんだよ!」
「もう〜、仕方ないなぁ〜」
岸くんのそばに行き、ギターを教える。全然 習得してくれない岸くんが面白くて 思わず吹き出す。そんな俺を見て、笑わないで教えろよ、って岸くんが怒り出す。
あぁ、こんな日常もいいかも。
心做しか、心の痛みも和らいだ気がした。
fin
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大変お待たせしました。。。
お待たせしすぎて本当に申し訳ないです。。。
『君の存在』無事に完結しました!
こんな拙い文章を読んでくださって、とても嬉しいです!
これからも『キミとぼく』をよろしくお願いします。
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作者名:ゆうき | 作成日時:2019年10月8日 1時