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君の存在17 ページ30
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｢っ、わ...｣
最後の別れを告げたと思ったら、ぎゅっと紫耀に抱きしめられた。
｢別れない｣
力強い声で囁かれる。
｢もう、離さない｣
｢...なんで...？｣
｢言っただろ？もう1人にしないって。｣
強く抱きしめられる温もり。
あの日と同じ温もり。
もう感じることはないと思っていた温もり。
もう一度 その温もりを感じることができた喜びから、自然と涙がこぼれ落ちた。
｢...っあほ、やめろやぁ...｣
でも、ダメなんや。
俺は紫耀の傍に居るべきやないから。
｢...離れろや.....｣
｢離れない｣
｢...俺はもう、お前とは おれやん...｣
｢そんな事ない。俺はこれからもずっと廉といたい。例え結婚できなくても、子供ができなくても。それでもいい。廉が俺のすべてだから。廉がいれば それだけでいい。｣
俺を抱きしめる腕に力がこめられる。
｢...でも...こんなん誰も認めてくれやん...｣
｢そんなのどうでもいいよ。誰にも認められなくても、これが俺たちなんだから。この気持ちを俺たちがちゃんと受け止めてあげたら、それだけで十分だよ。｣
こいつは ほんまにアホ...
アホやけど、いつだって強い意志を持っている。
そんな紫耀に今まで何度も救われてきた。
周りを気にして すぐに落ち込む俺に、いつだって頼もしい手を差し伸べてくれた。
きっと、これからも...
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作者名：ゆうき | 作成日時：2019年10月8日 1時
