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君の存在13 ページ26





詰め込まれたスケジュールに掻き立てられて忙しなく走るタクシーに揺られながら、ぼんやりと窓の外を眺める。




見慣れた街並み。

ギラギラと照らし続ける太陽。



俺の気持ちなんか無視して、みんな いつも通りに進んでいく。



紫耀と別れた傷は 時が経てば消えていくと思っていたのに、どんなに予定を詰め込んでも その空白は埋まらないまま。


どこにいても

何をしていても

紫耀の面影がいつもいる。





一夜をともにしたベッド。
料理を作ってくれたキッチン。
一緒に買い物に行った近所のスーパー。


どの思い出も紫耀と分かちあってきたものばかり。




お前がおらんくなったら、俺はどうしたらいい?



どうしたら失われた空白は埋まるん?





もう...わからんよ...









「れぇ〜ん!」


楽屋に入るとハイテンションな海人に抱きつかれる。


「もぅ、なんやねん!」
いつものようにあしらうが 抱きつかれたまま。


まぁ、本気で嫌なわけやないから 別にええんやけど。



「今日さ、一緒にゲームしよ!」
「急にどうしたん。笑」
「久しぶりに廉とゲームしたくなったの!」


海人は相変わらず可愛いな。



やっぱり弟ってかんじ。



「ええよ」
「やった〜!」
無邪気に喜ぶ姿に自然と笑みがこぼれていた。








「よかった、やっと笑った」



そんな海人の呟きには気づかなかった。



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作者名:ゆうき | 作成日時:2019年10月8日 1時

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