君の存在2 ページ15
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"平野紫耀、お持ち帰りデート"
...お持ち帰り...デート？
紫耀が 映画で共演した女優さんとご飯に行き、そのまま 紫耀の家へお持ち帰りした という事が書かれていた。
思いがけない事に 頭が真っ白になる。
そもそも、誰かと2人でご飯に行く時は 互いに連絡するようにしている。
やのに、この人と2人でご飯行くなんて話 俺 聞いてないで...
それに...
お持ち帰り...
その記事によると、酒を飲んで酔った彼女を介抱するために 紫耀の家へ連れて帰った らしい。
優しすぎる紫耀らしいな...
なんて、まだ現実を受け入れられていないながらに どこかで思う。
働かなくなった頭で 呆然とスマホを眺めていると、目に入ってくる 世間の声。
"お似合いカップル！この2人なら、なんか許せる"
追い討ちをかけるような その言葉に、ひどく心が痛む。
許せる......
そっか...
俺やったら 皆に許してもらえへんのや...
やっぱり紫耀も俺なんかより彼女の方がええよな。
彼女やったら 世間に認めてもらえるし、堂々と付き合える。
俺の時みたいに みんなに隠れてこそこそせんでもええんやし...
それに...
紫耀と付き合いだしてから ずっと不安やったことが、今になって存在を大きくする。
俺には紫耀の夢を何一つ叶えてあげられへん、という事。
紫耀が昔からよく言ってた
結婚して親に安心してもらうことも、
紫耀の大好きな子供を産むことも、
男の俺にはできへん。
でも、彼女やったら その全てを叶える事ができる。
あぁ、そっか。
俺は紫耀の未来にとって障害でしかないんやな。
やっぱり紫耀は 彼女と付き合う方がええんや。
2人がいい感じなんやったら、俺が唯一 紫耀の為にしてあげられることは1つしかないやん。
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作者名：ゆうき | 作成日時：2019年10月8日 1時
