キミとぼく (ページ17)

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君の存在4 ページ17

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楽屋に入るとまだ誰もおらず、しばらくしてジンとゆうたが来た。

あとは...

あいつだけ...

迫りくる時に気持ちが落ちつかない。

そして...

ガチャ

｢はよ。｣

ドアの開く音とともに愛しい人の声。

でも

いつもなら視線を交えて返す返事も、今はできない。平然と彼の顔を見れる自信がない。

｢...おはょ｣

今にも消え入りそうな声を絞り出すだけで精一杯やった。

それからすぐに撮影が始まった。
紫耀と顔を合わさなあかんから憂鬱やった仕事も、いざ始まってみると集中できたおかげで、この時間だけは紫耀のことを忘れることができた。

でもそんな時間も長くは続かず、おつかれさまでした、と言うスタッフさんの声で全員揃って楽屋に歩を進める。

俺も紫耀もこの後は仕事がないから、誘うなら今や。

たった数歩先を歩く紫耀の背中を眺めながらそんな事を思う。

でも

そのたった数歩の距離を縮めることができずにいた。

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