変更点 ページ8
「これで、どうですかね。」
前回の打ち合わせから数週間後。
すごく悩んだのだろうか。何度も書き直したような跡が残っているノートに綴られているラップを確認する。
…うん。良いと思う。
俺の隣に居るナムジュニとホソガに問うように視線を向けると２人とも何度も頷く。これは作詞の方は大丈夫ってことで良いのだろうか？
目の前のAさんは落ち着かないのか、ソワソワと視線を彷徨わしている。可愛い。
さて。ここでAさんを安心させてあげなくては。コホン、ともったいぶったように咳払いをしてノートを閉める。
「あの！大丈夫でした、か？」
「はい。予想以上の完成度で驚いてます。」
俺の言葉にAさんが大きく息を吐いて姿勢を少し崩す。
「私初めてラップの作詞したんですけど本当に難しいんですね。普段からやっている３人を改めて尊敬しちゃいました。」
そう言って微笑むAさんに心臓を鷲掴みにされる。可愛い。
「そんなこと言ってもらえるなら俺もラップの作詞勉強しておけばよかった。」
「なー、ジョングギ」とテヒョンアがジョングガに話しかける。
当のジョングガは「早く言え」とでも言いたげに俺の顔を凝視しているため、慌てて視線をそらす。俺に穴空きそう。
テヒョンアもジョングガの様子に気づいたのか話しかけるのをやめて縮こまる。
…俺もそろそろ腹くくるか。
「これで本格的に作業に取り組めますね、ヒョン。」
「…あー、その、急で申し訳ないんだが変更点が１つ。」
ナムジュニの言葉にそう言えば、不思議そうな表情をするメンバーと俺のことを穴が空くほど力強く見つめるジョングガという両極端の視線にビビりながら口を開く。
「ここのAさんのボーカルにジョングガのハモリを増やそうと思って。」
「なんだ。そんなことですか。」
「あー、それに伴ってダンスも少し２人の絡みを増やそうかな、と。」
あの日のマンネの珍しく積極的なお願い。
『あ、あともう一つお願いしたいことが…。』
『Aさんとの絡みを増やしてほしいんです。』
『…ずいぶん積極的なお願いだな。』
『とにかく！お願いしますよ！』
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まちおか(プロフ) - りおん。さん» ありがとうございます！続きも頑張って更新するので応援、よろしくおねがいします！ (2022年5月12日 0時) (
レス) id: cf9672e178 (このIDを非表示/違反報告)
りおん。(プロフ) - いつも続きをわくわくしながら読ませてもらってます…！これからも応援してます！ (2022年5月1日 22時) (レス) @page11 id: 5ba492e76b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まちおか
| 作成日時：2022年4月10日 20時
