ら民町のハロウィン事情〜改〜

4話「最初の住人」 ページ4

『だ、誰ですか貴方…！！？』





そう言うとマフラーを巻いた男性はキョトン、としたような顔をした後



納得の言ったかのように手をポンッと叩いた。



そしてまたさっきのようなニコニコ顔に戻り一回クルリと周り





ら「初めまして東雲Aさん。俺はらっだぁ。よろしくね？」





そう、自己紹介をした。





『らっ、だぁ…？』




ら「まぁ混乱してるのも無理はないよねー。まぁここに来る人達は最初そんなもんだしもう慣れたけどな」






やばい。この人が言う通り混乱しかしていない。



聞きたいことが山ほどあるし…。



それに情報の整理がまだ追いついていない。





『あの、！』




ら「ん？どうした？」





私はおもいきって口を開いた。



その人……らっだぁ、さんはまたこちらを向いた。





『ここは、どこなんです、か』





そう尋ねるとらっだぁさんは表情一つ変えずに話し出す。





ら「ここはら民町上空にある館だよ」




『ら民町…、上空…！？』





上空…！？また混乱するようなことを…。





ら「聞きたいことは山ほどあるだろうし、聞かれる前に答えちゃうか」





私の考えを見透かしていたかのようにらっだぁさんはそう言う。



そして私のベットに腰をかけて淡々とまた話し出した。





ら「まずなんでここに君がいるか、だよな。

路地裏で寝ていた、いや気を失っていたか。それなのに目が覚めると見知らぬ部屋。でしょ？」




『……はい』




ら「それはねー。



"俺が連れて来た"からだよ」




『……え？』





頑張って情報をくみ取ろうと思っていたから聞き入っていた。



が、急に自分が黒幕宣言をし始めるらっだぁさんにまた困惑する。





ら「ここから難しいからよ〜く聞けよー？

俺は"ら民町五大怪物の一人"。らっだぁ。五大怪物って聞いたことある？」





五大怪物_____________。



ら民町の伝説的なオカルト話だ。




このら民町には年に一回。必ず人が忽然と消える事件がある。



消えた人は二度と帰ってくることはない。



消えた原因はら民町の"五大怪物"が連れ去っている。とのこと。



目撃情報は少ないが明確な証拠もあったため伝説とされている……という話。




にわかには信じがたい話だけど……。



本人、が目の前にいるの？



確証はないけど突然に恐怖が襲ってくる。

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