ら民町のハロウィン事情〜改〜

17話「暗闇の支配者」 ページ17

ペタ、ペタと私は裸足の足を動かす。



両手でしっかりと懐中電灯を持って。



多少の明かりはあるけど、それがあっても先が見えないほど暗い。



懐中電灯で先を照らしても、ほんのそこしか照らせない。



まるでバーチャルのゲームをやっているようだ。



心なしか肌寒い。



ほんの少しの音でもびっくりしてしまう。




「起こしに行ってきてほしい」




って言われても、私はここの住人じゃないため



この場所を把握してはいない。




＿＿＿＿＿＿ツッ.





『…っ！』





バッと、後ろを振り返る。



___何もいない。



音が聞こえたはずなのだが、なにも居ない。



私はもう一度前を向いて足を進める。




ペタッ、、ペタッ。




私の足音。




...ッ、コツッ。




誰かの足音。




私は裸足だ。裸足でこんな音は出ない。



じゃあ、誰？




意を決してもう一度勢いよく後ろを振り返る。



だけど見えるのは暗闇。なにも見えない黒。



やっぱり勘違い_____。なんてことは絶対にない。



だって。





「洞察能力、高いんだね。A」




『っ、！！！』





耳元でそう言われる。



そしてさっきまでは感じなかった背後の気配。



そっと、肩に手を置かれる。



聞いたことがあるこの声。



初めて会った時は使い魔越しだったが、



この特徴的な声は私でも分かる。





『緑色、さん』




み「初めまして、A」





すると首にガッと腕を回される。



なんて力なの…っ_________！





み「らだおくんとの会話を見てた時、"この子"しかいないって。そう思ったの」




『なんのっ、話、です。か』





するとより一層抱きしめられる力が増す。



流石に、苦しい。





み「絶対離さなイ。」





そう耳元で、言われた時。



背中がゾワっとした。

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