62話「紫の願い珠」 ページ16
鯖「そう落ち込まないでください」
『…近海様』
鯖「おはようございます東雲さん。気分は如何ですか？」
『良くも、悪くもないですね…』
突然私の部屋に現れる近海様。
正直心臓に悪いのでやめてほしいまである。
鯖「昨晩のことはとても残念に思っています。
まさかあそこまで彼らが貴方に執着するとは思ってもみませんでしたので」
『ははッ……余計なお世話ですよ…全く……』
そう言って私は自分の身体を小さく丸める。
勿論ここに始めて来た時は驚きと不安でいっぱいだった。
けど案外優しい皆さんに心を許した私が馬鹿だったのかな。
自分の口が滑らなければ洋介や、他のみんなはあんな目に合わずに済んだのかな＿＿。
と思ってしまう自分でも嫌でも分かってしまうお人好しの私にも嫌気が差してくる。
いっそのこと、もう"儀式"とやらを始めて欲しい。
鯖「そう言えば、今日はこれをお渡しに来ました」
そう言って近海様は私の両手にソフトボールサイズの球を握らせる。
それは中に行くほど暗くなっていって吸い込まれそうな紫色をしていた。
『これは…？』
鯖「それは"願い珠"という代物です。
貴方が思う最大の緊急事態の時にお使いください。
願いを込めれば込める程強い力が発動します」
『そうですか…』
なんと実に興味深い、が
残り3日で生贄の私にこんなものはいらない。
と思いベット脇の小棚の引き出しにそれを仕舞った。
鯖「…使用するのは貴方次第ですが一つ忠告をば、
近い間この館創立史上一の"災厄"が起こります。
いざという時に、貴方の判断でお使いください」
災厄……？！
その言葉を耳にした私は勢いよく近海様の方へと顔を向ける。
が、もう近海様の姿は見えなくなっていた。
『災厄…』
私は身震いを一つして、慎重な手つきで願い珠をポケットに詰めた。
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アイ - 初コメ失札します。この作品は、リメイク前からみてたので、これからも、無理しすぎないで、更新頑張ってくざさい!応援してます! (2020年7月4日 8時) (
レス) id: 8e21c3f724 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - 楽しかったです。期待して続編番外編まってますね！ (2020年7月3日 21時) (レス) id: 81d93d5e8c (このIDを非表示/違反報告)
飴樣 - 面白かったです！更新頑張ってください！応援してます (2020年6月21日 22時) (レス) id: f5daa61569 (このIDを非表示/違反報告)
菜月(プロフ) - 初コメント失礼します。少し前にこの作品を見つけ、リメイク前も見させていただきました。ゆっくり更新頑張ってください！！失礼しました。 (2020年5月10日 20時) (レス) id: b30259d355 (このIDを非表示/違反報告)
みくろん(プロフ) - 続編おめでとうございます！リメイク前からずっと読んでいた作品だったので、続編が出て更新してくださることがとても嬉しいです！無理しすぎず更新頑張って下さい！ずっと応援してます！ (2020年3月21日 12時) (レス) id: a0148164b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天使匠 | 作成日時：2020年2月12日 18時
