497話です ページ9
「はあ？僕がそんなヘマはすると思う？」
「いやしないと思う。寧ろ的確に狙ってきそう」
「わかってるならいい」
「あ、うん……じゃないだろ自分！！大体兄さんはいつも……！！」
売り言葉に買い言葉。兄妹の口喧嘩が始まった。と言っても綾が一方的に言っているだけで恭弥さんは綾から目を逸らし書類に目を向けている。
全く、この二人は。頭を抱えていると突然ピタリと綾の一方的な責めが終わりを告げた。しかしそれは恭弥さんも同じことで書類から窓の方を見ている。
何かあるのだろうか、と首を傾げた……その時だった。外の空気の揺れを感じたのは。
「失礼します」
と同時に声が聞こえた。それと共に開いている窓から中に入ってくるは一人の褐色肌の女性。特徴的な目元マスクをしているチェルベッロだ。
いきなりの訪問で警戒態勢を取る私達にチェルベッロは気にする様子もなく淡々とした口調で話し始めた。
曰く用件は一つ。“必ず今日の晩来るように”との事。それだけ言うとチェルベッロは私達の返事も聞かず再び窓から出て行ってしまった。
暫く警戒していた私達だったが、来ないことを知ると張り詰めた空気が緩んだ。肩を力を抜く私に綾は口を尖らせる。
「チェルベッロって常識がある奴だと思ってたけど案外そうでもないみたいだね〜。まさか窓から入ってくるなんてさ！！そこは玄関じゃないっての！！扉はこっち側だっての！！」
「貴女がそれを言いますか？」
「ゔっ！！わ、私は！！ほ、ほら！！長年幼馴染として、親友としてユキと一緒にいたから！！ね、ね！！」
「親しき仲にも礼儀あり。です。前にも言いましたよね？」
もう忘れたのかと問うと綾はあははーと笑って誤魔化した。全く笑えないし、それどころか顔が引きつっているぞ。
ジトーっとした視線を彼女に送ると綾は仕事に逃げるように「あ、そろそろ見回りの時間だ」とそそくさと出て行ってしまった。困った奴である。
はあ、っとため息を吐くと恭弥さんに「ねえ」と声をかけられた。
「君は今日の戦いに行くの？」
「勿論ですよ。でなければ私は守護者枠にいません」
「僕が来るなと言っても？」
「行きます」
今日はボンゴレリング争奪の最終決戦なのだ。今までの戦いの総まとめ。行かないと言う選択肢はない。
それにこれは私の戦いでもある。いつも守られてばかりの私ではないことを彼に知って貰わなければ。
「貴方がどんなに来るなと言おうと、トンファーで脅されようと私は行きますよ」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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夜野兎(プロフ) - 逃亡者さん» 返信遅くなりすみません！！ここまで見てくださりありがとうございます！体の心配までしていただいて……恐縮ですっ、ありがとうございますっ。コメントありがとうございました！！ (2020年3月26日 18時) (
レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
逃亡者(プロフ) - 初コメント失礼致します。前から少しずつ読み、漸く追いつきました。大変面白く、続きが楽しみです。また更新出来る時に、気が向いたら更新してくださると嬉しいです。体調を崩さない程度に頑張ってください。 (2020年3月16日 20時) (レス) id: 3951c8a1b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - ルイスさん» はじめまして！！返信おそくなりすみません……ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年2月15日 16時) (レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
ルイス(プロフ) - はじめまして!今日この作品を見つけいっき読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください! (2020年1月29日 23時) (レス) id: d4f9260aae (このIDを非表示/違反報告)
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