裏切り NEW ページ2
―――ASIDE
私の手から鉛筆が滑り落ちた
衝撃的な出来事に頭が混乱する
怒りと悲しみが込み上げて来て
どうすることもできず、泣いた
*
*
*
*
*
*
*
放課後の屋上で私は1人、鬼道君を待っていた
「放課後、屋上で待っててくれ」
真剣な表情で言う鬼道君に、思わずドキリとしてしまった
サッカーをしている時とはまた違った表情の鬼道君だった
『鬼道君てポーカーフェイスだと思ってたけど・・・
もしかしたら、家とかでは案外笑ってたりするのかな・・・?』
私は同じ部活なのにあまり交流の無かった鬼道君について色々考えていた
と、その時
ギィッ・・・という鈍い音が聞こえた
扉の前に視線を送る
そこには鬼道君がいた
「ッはぁ、はぁ・・・悪いな、待たせてしまって・・・」
そう言った鬼道君はかなり息切れが激しかった
『そんなに焦ってこなくてもよかったんだよ?』
私が紙に書いて渡すと
俺から待っといてくれと頼んだのに遅れて来るのは失礼だと思ってな
と言って苦笑した
『優しいんだね、鬼道君』
私はそう書いて渡す
すると、鬼道君は下を向いて顔を真っ赤にした
「・・・こんな事を言われるのは初めてだな」
そう言って照れている鬼道君がとても可愛かった
*
*
*
『そういえば、用事って何かな?』
私が紙を渡すと、鬼道君は一瞬ためらって
違ったらとても失礼なんだが・・・
と言って黙り込んでしまった
『大丈夫。言ってみて?』
私がそう微笑むと、鬼道君はゆっくりと口を開いた
「この前、知ったんだ
阿白魏、お前が
ずっと喋れない事を―――」
その言葉を聞いた途端、寒気がした
顔がひきつった
『何で・・・知ってるの?!』
この事は夏美と豪炎寺君しか知らないはず
たまたま聞いたと言うのが本当ならいつ?
私は落ちた鉛筆を拾い、震える手で書いた
『いつ聞いたの?誰から?』
鬼道は答えた
「豪炎寺―――」
≪豪炎寺≫
その言葉を聞いた途端、私の中の何かが壊れた気がした
鬼道君はまだ何かを言っていたけど、耳に入ってこなかった
信じてたのに―――
私はその場にいられず、走り出した
涙が止まらなかった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆーいぎ(プロフ) - Re:修香 いつもコメントありがとね!!そしてはやいｗｗほんと感謝!! (2012年1月29日 11時) (
レス) id: 12b2f396d3 (このIDを非表示/違反報告)
修香(プロフ) - 更新がんばってね！！！楽しみにまってますＷＷ (2012年1月29日 11時) (レス) id: 87258eecd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆーいぎ | 作成日時：2012年1月28日 17時
