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『ここから高専まで遠いですし…

もういい時間なんで帰りましょうか』


五条「…うん…」




映画館を出て時計をみると

もう17時を回っていた


高専の近くは暗いから

早めに帰った方が安全だし




『あっ、』




駅に向かおうとしたそのとき


後ろに少し体重が引っ張られる感覚で

まだ悟先輩の手を握ったままなことに気がついた




『すみません、手…』




慌てて離そうとすると

その手を掴まれる




五条「いい、離さなくていい!

…てか…離すな…」


『えっ』




その言葉に驚いて顔を上げると


先輩は白い肌を真っ赤に染めていた



ドッ、と

心臓が大きく脈打つ



そんな顔、みたことなくて




五条「あ…ほ…ほら!人…多いし…!

はぐれたら…駄目だろ」


『あ…ああ!そうですね!

そういうことなら…繋いでおきましょう』




悟先輩がどういう気持ちで

そう言ったのかわからない



それでも


駅に向かうときも

電車を待っている間も

電車に乗ってからも


その手は離されなかった




『すみません…暑くて…手汗が…』


五条「!、いや…俺もそうだし…」




少し喋っては沈黙する

その繰り返し


さっきの映画みたいに

他に集中できるものもなくて


ただ悟先輩の顔をみることもできずに

その手を繋いでいた




五条「…あ、あのさ」


『!、はい』


五条「俺…」




何か意を決したように

その口を開く



まさか


もしかして



期待で心臓が破裂しそうになったとき




《○○駅〜○○駅〜
ご乗車の際は押し合わず
ゆっくりとご乗車ください〜》



五条「!、ちょ」


『う、わっ』



ドアが開いて大勢の人が電車に雪崩れ込んだ


車内があっという間にぎゅうぎゅうになる


勢いで手は離れてしまったものの

先輩はとっさに私を窓際に寄らせ正面に立った



守ってもらっているのを感じてまたあつくなる




五条「おい、大丈夫か!?」


『っ、はい…なんとか…

ありがとうございます悟先輩』


五条「いや…」


『それで…何ですか?』


五条「え?」


『さっき言おうとしたこと…』


五条「あ…あ〜!いや…その…

……………な…ナンデモアリマセン…」


『そうですか…?』


五条「うん…そう…」





なんてタイミングが悪いんだろう


もしかしたら告白だったかもしれないのに





『(いや…やめるって決めたじゃんか

無駄な期待は)』

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:ラブコメ
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街角のドーナツ屋(プロフ) - ゆずあさん» わあぁめちゃくちゃ嬉しいですありがとうございます😭💓ストックはたくさんあるので是非書かせていただきます!!また機会がございましたらご覧いただけますと嬉しいです🥺✨ (2023年2月10日 0時) (レス) id: b8e4da7f04 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずあ(プロフ) - 完結ありがとうございます!最後まで楽しませていただきました😳💕悟のおバカな可愛さにもキュン💓なのですが、最後の七海のお話が個人的に刺さりました。またいつか呪術のお話を書いて欲しいなぁと思っています😌🌸 (2023年2月9日 21時) (レス) @page50 id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - なかじーさん» ありがとうございます!少しずつですが更新していきたいとおもいます✨ (2022年12月9日 11時) (レス) @page21 id: 2c7b5feb18 (このIDを非表示/違反報告)
なかじー - 大好き (2022年11月10日 19時) (レス) @page20 id: cda9a90c6e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:街角のドーナツ屋 | 作成日時:2022年3月6日 12時

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