ワンコ少年 ページ36
「Hey, come on! good boy」
早足でバスケ集団からなるべく離れたところまできた。
あー怖かった…
前にお祖母ちゃんが言ってた"男は女が思うよりも、女を女としてみている"っていうのは本当なのかもしれない。
性別がメスなら何でも良いっていう男も居るらしいからな…
「うーん、それともお前はレイラと同じ女の子かな？」
「女の子…」
あれ？なんか聞き覚えのえる優しい声。
「ジェイクさん！」
「あーニキヌナ！」
川の近くでワンコと戯れるジェイクさんを見つけた。
急いで駆け寄る。
「どうしたの？」
「探してたんです、リキ…ニキから連絡来てません？」
「ちょっと待ってね」
ワンコを撫でながらジェイクさんはスマホをポケットから取り出す。
「……なんか」
「え？」
「ヌナは渡しません、って」
ヌナじゃねーし、渡しませんってどういう意味や。
「ボクなんかした？」
「何もしてないです…すいません」
独占欲を変なところで出すんじゃないよ、西村力。
「あ、それは置いといて。この子の飼い主が分かったんです」
「え？本当に⁉︎」
良かったな〜ってわしゃわしゃと犬の頭を両手で撫でるジェイクさんを見て、犬が犬を愛でている…なんてことを考えて微笑ましくなる。
「じゃあ飼い主のところに、」
「あーそれがこの子の飼い主はもう亡くなってて」
「え…」
お祖母ちゃんから聞いた話をジェイクさんに話すと垂れた犬の耳が見えるくらい、悲しそうにワンコを見つめた。
確かにこの子がもうどこにも行き場がないってことは犬好きのジェイクさんに取ったら可哀想過ぎるよね。
せっかく戻ってこれたのに、会いたい人にはもう会えないんだもん。
「それで、この子はどうなるの」
「まだ…」
「ウチで飼ってあげたいって思うけど、もうすでに犬を飼ってるから難しいかも」
「うーん…」
そうなると保護センター行きになるのかな。
さっきお祖母ちゃんが言ってた心配がもし現実になってしまうと、この子の身が心配だ。
「とりあえず、ウチに連れて帰ります。お祖母ちゃんに報告もしなきゃ」
「そっか…じゃあぼくも一緒に行く」
「でも…レッスンは？」
「大丈夫、送ったらそのまま行くよ」
なんか夕暮れの公園を歩いているせいなのか、余計に切ない気持ちになった。
トボトボと2人と1匹で歩いてるとさっきのバスケットコートが見える。
さっきの人たちは楽しそうにバスケをしている。
「…………。」
その横をジェイクさんと2人で通り過ぎた。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
