バスケ少年 ページ35
ジェイクさんが行ったであろう方向にどんどん進むと、やがて漢江川沿いに出た。
そこには川に沿って公園があって犬の散歩をしている人や、川をのんびり見つめてる人、運動してる人など色んな人が沢山いる。
私は犬を連れた人を注意深く見ながら、公園の中を探すことにした。
「ジェイクさん…どんな服だったっけ」
制服着ていた様な気がするけど、犬のことばっか見てたからなんかぼんやりとしか記憶にない…
「ナイシュー」
公園内を進んでいくとバスケットコートが見えて来て、ボールの弾む音や掛け声が聞こえてくる。
ボール遊びでもしててくれないかなここら辺で。都合よく。
「ヒスン、ほんと上手いなお前」
何となくバスケをする集団を見てると、その中の1人が誰かにそんなことを言った。
あれ…ヒスン？
なんか前に誰かがその名前を呼んでたよね…？
「これ入ったらジュース奢りね」
いや、でも韓国語の名前って苗字と同じでバリエーション少なくない？
大袈裟に言うと苗字はキム、パク、イしか居ないの？ってくらいクラスに何人もいるし。
名前で言えばジュンとかヨンとかユンつく名前多くて、それにキムパクイがくっ付いたら混乱するんだよ！
「誰？ヒスンの知り合い？」
頭の中でまた思考タイムが始まったせいでバスケ集団を無意味に見つめてしまっていた。
ヤバイヤバイ…なんかこっち来た。
「どうしたの？」
「あ、何でもないでーす…バスケ上手いなってただ」
「一緒にやる？」
ボールをくるくると指で回しながら私に近づいて来た男の人が微笑んだ。
「あ、いえ…」
「教えてあげるからおいでよ」
「えっ」
その場をすぐに去ろうとしたのにいきなり手首を掴まれた。
なんか変な展開になって来たぞ…。
「離してやれって」
「ヒスン」
ゴールにボールを投げて、バスケ集団の中の1人がこちらを見ずにそう言った。
ボールはゴールにきれいな弧を描いてシュート成功。
拍手をしたいけれど見知らぬお兄さんに手首を掴まれてて出来なくて残念。
「女の子、困ってる」
振り返ると深く被ったキャップの奥から大きな眼が私を見つめていた。
あれ、この人…どっかで見たことあるな。
「ごめんごめん、冗談だよ。通報しないでね」
「え、ああ…」
掴まれていた手首が解放された。
なんかめんどくさいことになる前に早めに退散しよう。
「し、失礼しました」
そう言って深くお辞儀をして私は一目散に立ち去った。
「…………。」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
