納豆という名の手料理 ページ27
「これ、はい」
「何」
「買ってきた」
力くんとソンフンさんが仲良く話しながらご飯を食べてるところへ私は用意してた物を持って行く。
「うわー久しぶりに見た、納豆」
日本食作ってあげようとか言っておきながら料理じゃなくてすまん。
「全然食べないって聞いたからさ、なんかないかなーって日本食スーパー行ったんだけど」
「僕のために？」
「うん」
持ってきたトレイの上には小鉢に入った納豆、薬味のネギ、そして醤油とカラシ。
生卵も付けてあげたかったんだけど、お祖母ちゃんに日本の卵と違うからやめておけって言われて断念。
「わーありがとう…」
それでも力くんは喜んでくれたみたいでまじまじと納豆を見つめる。
「…それ、何ですか」
私たちのやり取りを見ていたソンフンさんが力くんの納豆を指差す。
「これは日本の納豆っていう食べ物です。チョングッチャンに少し似てるかな」
「あー…」
私が説明するとソンフンさんは何となく分かってくれた様な反応を見せてくれた。
「食べてみたいな」
「これはダメ、僕の」
トレイを腕で守る仕草をして、力くんはソンフンさんを威嚇する。
「食べれます？匂いが強いんですけど」
「多分大丈夫だと思う。日本の食べ物はどれも好きだし」
そうは言ってもお寿司やラーメンとはまた全然違うものだけどなー。
「身体にいいものなんでしょ？それならぜひ食べたいな」
「じゃあ…まだ余ってるんで、すぐ用意しますね」
「あーあ、ヒョンも食べるなら特別感が無くなる…」
不服そうな力くんを肘で小突いて私はキッチンに向かった。
冷蔵庫からさっき準備した様にお皿に納豆を入れ、タッパーからお祖母ちゃんが刻んだネギを小皿に入れる。
「お待たせしました」
トレイから納豆を取ってテーブルに置くと、ソンフンさんは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、美味しそう」
「どうぞ」
韓国の韓国料理店で納豆を食べる少年２人ってよく考えたらシュールな光景。
そんな風に見ている私の視線も気にせず2人は黙々と納豆をかき混ぜ、ご飯に乗せて美味しそうに食べている。
「やっぱりたまには日本食食べないとなーまた何か作って、Aヌナ」
「ヌナちゃう。まー良いけど、それなら日本料理のお店に食べに行ったほうがいいんじゃない？種類もいっぱいあるだろうし」
ジェイクさんに教えたモールのフードコートにも確か日本料理屋さんあった様な。
「僕はAちゃんが作るご飯がいい」
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
