もう1人のパクという少年 ページ23
「ただいま」
「おかえりーどうだった？」
「めちゃくちゃ疲れた…」
裏口から入ってキッチンにある丸椅子に傾れ込むように座る。
「友達できた？」
「うーん…一応」
「あの男の子でしょ」
作業台に凭れていた上半身を起こすと、ガス代の前にいたお祖母ちゃんを見上げる。
「…何で分かったの」
「そりゃ老婆の勘だよ」
「何だそれ」
よく分かんないけど別れ際にニヤニヤしてたのはお祖母ちゃんには私がヤンくんと友達になるって分かってたってことなの？
「でも先輩とも仲良くなった」
「え？先輩？」
「うん友達と仲のいい男の先輩2人。しかも1人は家族でも来てるくらいここの常連って言ってた」
「名前は?」
えーっと、なんか長い名前だった様な…。
「パク…なんとか」
「パクだけじゃ分かんないよ、韓国にどれどけいると思ってんの」
はぁ、と大きくため息ついてお祖母ちゃんはさっきから火にかけてる鍋の中をかき混ぜる。
「パクさんで親子できてる人ねぇ」
「一つ上には見えないくらい大人っぽかった」
「うーん、息子がいるパクさんねぇ」
「すごい綺麗な顔してた。整っててー」
するとお祖母ちゃんは思い出したのか、鍋から手を離すと私に振り返った。
「それパクソンフンだね」
「ソン…フン？ソヌ…あれそんな名前だったかな…」
「綺麗な顔してるよ、あの子は。フィギュアスケートやっててさ、最近大会には出てないみたいだけど」
「フィギュア…」
うーん、スケートやってる様には見えないけど。
なんなら図書室でギター弾いてたけどな…。
「今日は…水曜だし来るんじゃ無い？スケートのレッスンの帰りにいつもここに寄ってご飯食べて行くから」
「へぇー家で食べないの？」
「夜遅いからって、母親に気を遣ってるんじゃないかね」
お祖母ちゃんはそう言うと、冷蔵庫を開けて食材のチェックをし始めた。
「ニキもレッスンで遅いし、ソンフナと同じ様に何か胃に優しいものでも作るかね」
そういえば力くんここ数日、塾とレッスンで一日中外に出ててあんまり会話してないなー。
夜になると相変わらずこっそり布団に潜ってくるから存在は感じてるんだけど。
「私、手伝うよ」
「じゃあ着替えて、手を洗ってきな」
ついでに日本食でも作ってやるか…。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
