学校は何しに行くところ？ ページ17
「韓国語の問題も無さそうだし、Aさんが通ってる日本の学校は我が校よりもレベルが高いみたいですし。受け入れは大丈夫です」
「そうですか、ありがとうございます」
お祖母ちゃんはちょっと小綺麗な格好で校長先生に頭を下げた。
私も真似して頭を下げる。
「日本語の授業もあるのでぜひ先生のお手伝いしてくれたら助かります」
「それなら任して下さい、日本語なら完璧なので」
「えっ」
変な仕事増やさないでよー。
もし勉強がハイレベルだったり、ましてやいじめにでも遭ったらどうすんのよ。
あ、辞めればいっか…。
「じゃあお祖母ちゃん行くからね、良い子にして寄り道しないで帰ってくるんだよ」
「はーい」
そう言って校長室を後にしようとすると、廊下には先生らしき人と隣に男子生徒がいた。
「どうも、担任のチョンです。学校の案内や説明をこれからしようと思うんですけれど」
「あ、はい」
私がお辞儀をすると、お祖母ちゃんも一緒に頭を下げた。
「じゃあ、私はこれで。先生お願いしますね」
「はい。気をつけてお帰り下さい」
そう言うとお祖母ちゃんは先生の隣にいる男の子を見て、私に何故か意味ありげな笑みを浮かべた。
「じゃあ…頑張るんだよ？」
「どういう意味？」
昇降口へ向かうお祖母ちゃんを見つめたまま手を振っていると、先生は咳払いを一つした。
「申し訳ないんだけど、私はこれから教育委員会の会議があって外に出なきゃならないんだ」
「えっ」
「その代わりに学級委員に次の授業を休んでもらって、学校の案内を任せたから」
そう言って先生は隣の男子生徒の肩を叩く。
男の子はニコッと笑って私の前に立った。
「よろしくお願いします」
胸にある名札には『ヤン・ジョンウォン』と書かれていた。
「あ、こちらこそ…宜しくお願い、します」
彼は女の子みたいに可愛らしい顔をしていて姿勢も良くて、なんだか違う世界の人みたい。
例えるなら学園ドラマの主役級の役の子って感じ？
「じゃあ頼んだよ」
「はい」
先生はそう言うと、チャイムが鳴り響く中小走りで遠くへ行ってしまう。
残された私たちは見えなくなるまでその姿をただ見つめていた。
「えっと、お名前は」
「あ、Aと申します…」
ヤンくんは気まずそうに私の顔を伺いながら聞いてきた。
「Aさん…」
「あ、はい…」
何でこんなお見合いしてるみたいな緊張感が漂っている？
「行きましょう」
「は、はい」
西村力とは何であんなに話せたのか今となっては謎。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
