布団の中はあぶない ページ15
前に韓国人は寒さに厳しい気候と情に熱い民族性のせいなのか、家族でも友人でもスキンシップが激しいと聞いたことがある。
お祖母ちゃんの家に来る時も手を繋いでる大学生くらいの女の子たちや笑いながら肩に手を回して歩く大人の男の人たちも見かけた。
「いや…お前は日本人だろうが」
「んー…」
早朝に違和感を感じて目を覚ますと、私の狭い布団に無理やり入って来ている男子が一名。
これは見方を変えると違法行為にもなるな。
「ちょっと、なに」
「寒いんだよね…あっちの部屋」
2階にある部屋は二つ。
一つはお祖母ちゃんと私、もう一つは下宿人の日本人・西村力の部屋。
「じゃ、私があっち行く」
「いってらー」
小声でそう言って布団を出る。
すると私が退いたのをここぞとばかりに体を大きく伸ばして、私の布団は力くんにあっという間に占領された。
「コイツ…」
眠いのに起こされて少し不機嫌な私は言い返そうとは思ったものの、眠さに負けて枕を抱え部屋を後にする。
いやそもそも隣にお祖母ちゃん寝てるのに気にしないの？
「寒っ」
力くんが言った通り彼の部屋は私とお祖母ちゃんの部屋より気温が5℃くらい低く感じた。
確かにこの寒さじゃなかなか寝付けないかもしれない。
後でお祖母ちゃんに寒さ対策してあげるように言ってあげよ。
「はぁ、寝よ…」
体を丸めて布団を丸かぶりする。
少しだけ力くんの匂いが残ってて、それが意外と良い匂いしてんな…なんて目を閉じながら考えていた。
「もうちょい端によって」
「…ん？」
眠りにつくかつかないかそんな時、また布団に奴が入ってくる。
「ちょ、なんで来んの⁉︎」
今度はお祖母ちゃんが居ないので普通のトーンで話す。
力くんは私の背中に頭をくっつけて、あったけ〜ってなんて言っている。
「こっちの部屋寒いから寝れなかったんでしょ」
「部屋のせいじゃないっぽい」
どう言うことですか？
と思ったけど背中に感じる彼の姿を考えたら答えがすぐ分かった。
「ねぇ、そんな格好で寝るから寒いんじゃん！」
「だってパジャマ持ってこなかったし」
そりゃTシャツ一枚とハーフパンツじゃ寒いのは当たり前です。
「4月だからもう大丈夫かなーって思ったんだけどな」
「なんか上にもう一枚着てよ」
「ダウンしかない」
「えぇ…」
私の服でも着せようかと思ったけど、意外と奴は身長が高い。
お祖母ちゃんは私よりも小さいし…
「もう眠い…大人しくして」
「おま…」
今日だけ我慢することにした。
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eng(プロフ) - 依鈴さん» わーありがとうございます！嬉しい！更新もっとがんばります^ ^ (3月3日 3時) (
レス) id: c7224089dc (このIDを非表示/違反報告)
依鈴(プロフ) - すごく面白いです！！毎日更新楽しみにチェックしてます！笑 頑張ってください！ (3月3日 2時) (レス) id: 71a1970ec1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eng | 作成日時：2024年2月25日 8時
