演技9 ページ9
七海視点
A「七海くん♡おはようっ!」
私にとって、幡森Aは義姉を虐める最低な人間だった。
この女は、美夜さん以外には媚びを売るように気色の悪い声で声をかける。特に五条さんは人一倍かけられていた。これに関してはご愁傷様だとしか思えなかったが。
A「貴女馬鹿じゃないの?」
美夜「ヒッ…」
そしてその女は、義姉である幡森美夜さんを堂々と虐めていた。
A「皆ごめんなさい♡この子が、鈍臭くて…ねぇ?」
美夜「っ…!」
ガタガタと震える美夜さんを冷酷に見下ろしながら、毎日のように罵る。勿論五条さんを筆頭に、夏油さんに家入さん、私や灰原も止めた。
しかしあの女は懲りずに美夜さんを虐める。夜娥先生にも報告するが、動いてくれない。あの方は公正な方だと思っていたが、違ったようだ。
そんな日が続いていた時、五条さんと美夜さんが婚約した。
私は、安心した。五条さんはあれでも一途な男だ。きっとこれから虐げられてきた彼女を幸せにしてくれるだろうと。そして、あの女には天罰が下るだろう。
なんたって、“五条悟の婚約者”を虐めたのだから。
ーー婚約の次の日。
私は灰原と話しながら、五条さんに執心だったあの女が来るのを待っていた。あの女の落胆した姿を見ようと。
しかし、
?「おはようございます。七海さん、灰原さん」
やって来たのは、ツインテールの厚化粧女ではなく、あどけなさが残る、美しい女性だった。
転校生だろうか。美しい方だ。
彼女に見惚れて返事を出来ずにいると、彼女は自然な動作で幡森Aの席に座った。私達は、そこの席に座るべきではないと彼女に声をかける。
A「私が幡森Aです。転校生じゃないですよ」
話しかければ、彼女は困ったような笑みをこぼしてそう言った。
信じられなかった。しかし、夜娥先生は彼女をAと呼び、彼女は自分はAだと言う。嘘偽りない目で。そして、
「あー、あー。……七海くん♡灰原くん♡おはようっ!今日もカッコいいね♡」
あの女と同じ声色でそう言った。
しかし彼女が本当にあの女なら、おかしいと思った。纏う空気が全くの別人だからだ。だから、なぜ美夜さんを虐めていたのか聞く。
すると返ってきたのは、認めたくないような真実だった。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜!いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます! (12月17日 12時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、!いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください! (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜!神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります!頑張ります! (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります! (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年9月29日 18時