演技やめてもいいですか？【呪術廻戦】

演技6 ページ6

まさに、虐げられてきたけど綺麗な心を持った少女みたいな演技をする義姉に私はドン引きする。





この人意外と私より演技が上手いんじゃないかと思うほどの変わりっぷりだ。何度見ても驚いてしまう。近づきたくない。





…今日はスルーしようかな。作戦施行は明日の予定だし。







作戦とは、私の義姉、美夜を陥れる作戦だ。なぜ作戦施行日が明日なのかと言うと、今日は義姉の同級生である夏油傑が任務に行っていて、いないから。






そして作戦名はズバリ、美夜の化けの皮を剥がしてやろう作戦。この作戦を行う為には、2年生全員が集まっている方が、私として都合がいいのだ。その方が楽だからね。







だから、他の通路を使って戻ろうと思ったのだが、






五条「…おい！お前」





「……何でしょう？」






五条悟に声をかけられた。





私は、渋々その声に振り向く。声をかけてきた本人である五条悟は、私の顔を見ると、ポカンとした顔をした。





義姉は、私がぶりっ子の格好をしていないことをおかしく思っているようだ。さて、そんな義姉の感じからもうわかったかと思うが、この義姉、馬鹿なのである。






自分の発言を忘れてしまうほどにね。





私はそんな義姉を一瞥し、動かない五条悟に視線を向けた。しかし、数秒しても動かない。





何なのだ、この男は。





私はいつまで経っても動かない五条悟に苛立ちを持ち、「用がないなら失礼します」と声をかけた。そして、五条悟の横を通り過ぎたが、手首を掴まれ、またも止められた。






…触らないでほしいんだけど






私は無言で腕を振り払うと、不快な気持ちを押し出した表情をして声を上げた。






「あの、何か用ですか？」





そう声をかけると、ハッとしたように五条悟は戸惑った声を上げる。





五条「………あ、いや、何でも、ねぇ…」





「…そうですか」







なら止めんなよ。







そう思うが、義姉の不満げな顔を見ることが出来たので、まぁいいだろう。






私は今度こそ五条悟を通り過ぎ、廊下を歩き始めた。

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