演技31 ページ31
夜蛾「A、今日から出席可能だ」
あれから数日後、夜蛾先生にそう言われ、私は数日ぶりに出席することになった。
あの後も七海さんや灰原さん、夏油先輩に家入先輩、そして五条悟も毎日見舞いに来てくれた。
…五条悟には来てほしくなかったけれど、毎度先輩方と来るので追い出すことは出来なかった。一人で来られても困るけど。
「…ふぅ」
私は教室のドアの前で息をつく。なんだか少し緊張するな。
ガラッとドアを開ける。すると、中にいた同級生二人がこちらを向いた。
七海「幡森さん。おはようございます」
灰原「幡森さん!おはよう!」
「おはようございます」
そうあいさつを返せば、二人は優しい顔つきで私を迎えてくれた。嬉しい、と思いながら席に座り、たわいのない会話をして過ごす。
それは私のしてみたかった同級生との会話。ずっと夢見ていたからこそ、嬉しくてたまらない。
七海「__幡森さん、休んでいた際のノートです。どうぞ」
「ありがとうございます」
私は差し出されたノートを受け取る。こんなのこと初めてだ。私のことを気遣ってくれていたのだと心が温まる。ああ、この人達といると心が温まることばかりだ。
夏油「やぁ」
その時、聞き馴染んだ声と共にガラリとドアが開く。そちらを見れば、夏油先輩と家入先輩、そして五条悟がいた。…なんでいるんだ、五条悟。
家入「A、調子どう?」
「もう大丈夫ですよ」
家入先輩が近づいてきてそう尋ねてきたので、大丈夫だと微笑むと、彼女も釣られたように微笑んでくれた。そして頭を撫でられる。温かい。
_この数日間で家入先輩とは随分仲良くなったと思う。
彼女は罪悪感からか何なのか、一番見舞いに来てくれた。
それにしても会話するのが楽しくて、私の中で家入先輩は既に気軽に話せる存在になっている。同性だからというのもあるのだろう。
夏油「A、今日はこれをあげるよ」
「ありがとうございます…」
今度は夏油先輩に声をかけられた。そしてクマのぬいぐるみを渡される。…この人は私を幼稚園生だと思っているのだろうか?物を渡されると毎度思う。
_夏油先輩は、あの時から私に何か物を渡してくるようになった。
償いなのか、罪悪感からなのか。いいと言っているのだが聞いてくれないし。というか、センスが壊滅的なのだ。クマのぬいぐるみだのクレヨンだの、幼い子供が喜ぶようなものばかり渡してくる。嬉しいは嬉しいのだが、複雑だ。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜!いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます! (12月17日 12時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、!いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください! (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜!神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります!頑張ります! (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります! (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年9月29日 18時