演技28 ページ28
「教えていただきたいのですが…あの後、義姉…美夜はどうなったんですか？」
少ししてそう話を切り出すと七海さんは視線を逸らし、顔を伏せた。
七海「…幡森美夜は、一週間の謹慎のみ、だそうです」
「一週間…」
随分と優しい罰だなとは思った。しかし、私にとっては好都合である。嬉しいことに呪術界は狭い。既に義姉の噂は色々なところに広まっていることだろう。
地獄はこれからだ。
七海「私達はこれはおかしいと抗議しましたが、受け入れてもらえずに終わりました」
七海さんはこの罰に不服なようで、顔を険しくしながらそう言った。しかし私はこれで結構なので、ニコリと微笑んで彼に声をかける。
「私はこれで大丈夫ですよ。…これから美夜には地獄を味わってもらうのですから」
七海「そうですか…」
その時の七海さんの表情は悲しそうに歪められていて、どうしてその表情をしているかすらわからないのに、私はなぜか無性に泣きたくなった。
この空間に沈黙が落ちる。
するとその静寂を破るかのように灰原さんが「あ！」と声を出した。
灰原「そう言えば幡森さん！君、身体は大丈夫？」
「大丈夫ですよ」
灰原「そっか！それなら良かったよ！丸一日寝込んでいたから、心配だったんだ」
「えっ」
私、丸一日寝込んでいたの…！？
そのことに驚いていると、七海さんが珍しく笑みを浮かべて立ち上がった。そしてドアの前で立ち止まると、こちらに振り向く。
七海「幡森さん、お大事に」
「…はい。ありがとうございます」
灰原「またね！」
「ええ」
ガラガラとドアが閉められる。
その音に悲しさを感じつつ、ベッドに横たわろうとした時、再びその音が響いた。顔を上げればそこにいるのは二人の先輩。夏油先輩と家入先輩だ。彼らは浮かない顔でこちらに近づくと、椅子に座って私を捉えた。
夏油「体調は、どうだい？」
「大丈夫ですよ」
家入「…これ、見舞い品」
「わざわざありがとうございます」
別に倒れただけなのだから大丈夫なのにと思っていると、彼らは思いつめたような表情で、私にもう一度言った。
夏油「本当に、すまなかった」
家入「すまなかったな」
私はそこで察する。きっと見舞い品には謝罪の意も込められているのだろう。私は別に気にしていないというのに。
「謝罪は要りません。私は演技をしていましたから」
笑みを浮かべるも、彼らの顔は晴れなかった。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜！いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます！ (12月17日 12時) (
レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、！いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください！ (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜！神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります！頑張ります！ (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます！五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります！ (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AO777 | 作成日時：2023年9月29日 18時
