演技27 ページ27
『姉様…?』
次に目を開ければ、そこは花畑。
両親が出会った場所だと言っていた、思い出のある場所だった。
そして、少し遠くには姉様が一人立っていて。
私は我を忘れて姉様に駆け寄ると、思い切り抱きついた。
『姉様!私やったよ。あのクソ義姉を陥れた!五条悟にも真実を告げたよ。あのまま後悔してくれてるといいんだけど…』
そう告げると、彼女は私の頭を優しく撫でる。
掠奈『…ごめんね』
そして悲しそうに微笑み、私の額にキスを落とした。
彼女は私から、離れていく。
え?
違う。私、そんな表情をして欲しかった訳じゃない。
『姉様?っ、待って!』
手を伸ばしても、足を踏み出そうとしても、彼女には追いつけない。
ーー駄目、行かないで。
.
「っ…!」
また、目が覚めた。
目の前には花畑ではなく天井が広がっている。どうやら保健室のようだ。そこで私は、あれは夢か何かだったのだと気がついた。
「姉様…」
でも、あの悲しそうな笑みは脳裏に焼き付いている。
どうして…
その時、ガラッとドアが開いた。
七海「……っAさん」
「七海さん」
ドアのところで七海さんが息を飲んだかと思うと、彼は私の両肩を掴む。
七海「大丈夫ですか…!」
「はい…?大丈夫ですよ?」
一体どうしたのだろうと思っていると、彼は少ししてハッとした表情をし、肩から手を離した。
そして近くに置いてある椅子に座る。
七海「…すみません。取り乱しました」
「いえ…」
…もしかして、心配してくれていたのだろうか?
「間違いだったら申し訳ないですが、心配、してくださっていたのですか?」
七海「…貴女、何を言っているんですか?そうに決まっているでしょう?」
当たり前だ、と言うような七海さんに、私は心がジン…と温まるのを感じた。
そして色々と話していると、
灰原「…あ!幡森さん!!」
「灰原さん…!」
灰原さんもやってきて、嬉しそうに頬を綻ばせてくれた。
それに、嬉しいと思ってしまったのは仕方がないと思う。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜!いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます! (12月17日 12時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、!いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください! (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜!神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります!頑張ります! (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります! (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年9月29日 18時