演技25 ページ25
『は…?会えない?』
『はい』
数日後、使用人から伝えられたのは、掠奈に会えないという事実。
『っ…何でだよ!!』
勿論それを聞いて諦めるわけもなく、家の中を暴れまわった。
会えないなんて言われて納得する訳ねぇ。
でも、どんなに暴れても駄目だった。
親父に会わせろと言っても無理だと否定するだけ。
直接幡森家に行こうとすれば、電車を乗る前にとっ捕まえられるし、使用人に(命令して)連れて行ってもらおうとすれば、親父のところに連行されるし。
でも俺は諦めなかった。
掠奈に会いたい一心で、毎日行動に移した。
『悟様がご執心の幡森家の掠奈様、噂によれば悟様に会いたくないって言ってたらしいわよ!』
『………は?』
そうこうして一か月が過ぎた頃、使用人達のそんな噂話を聞いた。
嘘だ。
掠奈がそんなことを言う訳ねぇ。
そう思うのに、
『き、気に召してなんかねぇよ!あんなブス!!』
言ってしまった自分の言葉を思い出す。
きっと掠奈の親父が伝えたんだ。
だから、会いたくねぇって…
俺は掠奈に、嫌われたんだ。
その言葉がストンと心に落ちて。
俺は掠奈に会おうとするのをやめた。
ーーでも、謝りたかった。
そんなこと思ってなかったんだって、本当は違ったんだって。
謝りたくて、謝りたくて、そうしているうちに高専に通う歳になった。
美夜『初めまして。幡森美夜です』
そしてそこで、幡森の姓を持つ女と出会う。
そいつの名前は幡森美夜。
美夜は掠奈よりは劣るが整った顔をしていて、俺はすぐさま掠奈について聞いた。
美夜『掠奈、さんですか?…わかりませんが…家に帰ったら聞いてみますねっ!』
その回答に、俺は希望を見出した気がする。
そして美夜と会話していくうちに、
美夜『私は甘いものが好きなんです!悟様はどうですか?』
ーー私は甘いもの、特にお団子が好きなんだぁ!悟くんは?
掠奈と美夜がダブって見えるようになった。
その時からこいつは掠奈じゃないって理解しているのに、掠奈にしたいこと、言いたいことを美夜にするようになった。
そんで流れで、俺は美夜と婚約した。
こんなの、誰も幸せになんねーのにな。
ーーーー*
回想長くなって申し訳ありません。多分次で終わるかと。
それとお気に入り登録2000人突破、ありがとうございます!!
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜!いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます! (12月17日 12時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、!いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください! (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜!神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります!頑張ります! (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります! (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年9月29日 18時