演技24 ページ24
叔父『悟様、掠奈はいかがでしょうか？』
『は…？』
少しして使用人に退室を促され、掠奈は部屋を出ていった。
そして入れ替わるように掠奈の親父が入ってきて早々、こう言ってきた。
『どう言う意味だよ』
威圧感を醸し出して睨むも、掠奈の親父は笑みを保ったまま。
気持ち悪りぃ、掠奈に1ミリも似てねぇな
叔父『掠奈をお気に召されましたか、という意味です』
『は！？』
その質問に、俺は素っ頓狂な声を上げた。
ーーその時の俺は“好き”がよくわかっていなくて、
なにより気持ちを悟られたのが恥ずかしくて、
だから、
『き、気に召してなんかねぇよ！あんなブス！！』
って言っちまった。
衝動的に言って数秒後、掠奈の親父は目に弧を描く。
口元は扇で隠されて見えないが、その目は見事に笑っていて喜んでいるように見えた。
それにゾッとしていると、
叔父『そうでございますか。失礼いたします』
俺の許可を得ずにスタスタと歩き出ていってしまった。
『っ…！！』
数分してやっと頭が冷えてきた。そして先程の自分の発言にサァと血の気が引く。
掠奈に言われたら…！
そんな考えが頭に浮かび、俺は勢いよく襖を開けて客間へと駆けた。
しかし既にそこには誰もいなく、使用人に聞けば帰ったと言われた。俺が追いかけようとしたが、使用人達に止められてしまう。
勿論暴れたが、
『離せ！！掠奈に勘違いされちまう…！』
『悟様…！幡森様はまた今度お呼びになれば良いのではないですか…！？』
使用人にそう言われ、俺は仕方なく、本当に仕方なく暴れるのをやめた。
これが掠奈と会う、最初で最後の時になるとも知らずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2021人がお気に入り
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜！いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます！ (12月17日 12時) (
レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、！いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください！ (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜！神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります！頑張ります！ (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます！五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります！ (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：AO777 | 作成日時：2023年9月29日 18時
