演技22 ページ22
五条視点
A「…幡森掠奈は、死んだ」
目の前にいる掠奈の妹だと言う女は、恨めしそうに、しかし悲しそうに俺を見ながらそう言った。
そして、掠奈が死んだのが俺のせいだと言う。
そんな訳ないだろ、掠奈が死ぬ訳ねぇ
そう思ってんのに、女の歪んだ目がそれが真実だと示していて。
『悟くん』
俺の脳内には、掠奈と会った日の出来事が蘇っていた。
ーーーー＊
掠奈『ご挨拶申し上げます、幡森家長女の掠奈と申します』
その頃、俺には多くの見合い話が来ていて、毎日着飾った女と会っていた。大体は色仕掛けしてくる女か、ビクビク震える女の二種類に分かれる。
俺に媚びるか、震えるか、ただそれだけだった。
気持ち悪くて仕方なかった。
でも、掠奈は違った。
第一印象は、細いけど強い女。
肩上に切りそろえられた髪に骨が浮き上がるほど痩せた身体。しかしその目だけは力強く開かれ、細いのに強いという矛盾した印象を与えられた。そして顔は俺と同じくらい、いや、それ以上と言えるほどに整っていた。
俺は初めて見る美しい女に思わず見惚れる。
その間に親と使用人達が出て行き、少しして掠奈が口を開いた。
掠奈『君、何歳？』
『は？』
微笑ながら、そう聞いてきたのだ。まさかタメ口で微笑んでくるとは思っていなかったから、俺はポカンと口を開ける。すると、クスリと掠奈は笑いをこぼした。
はぁ！？
俺は何もおかしなことをしていないのに笑われたからムカついて、感情のままに怒鳴った。
『俺は五条悟だぞ！？俺を見て笑うんじゃねぇ！このもやし女！！』
掠奈『もやし…』
掠奈の顔が呆けた顔に変化するのを見て、俺は我に帰る。
嫌われた…？
いつもなら女を罵倒しても何も思わなかったのに、掠奈の時ばかりはやってしまったと後悔が心の中に湧いて出た。
『…ぁ』
でもその時の俺は謝ることを知らなかったから、ただそこに直立するだけ。
この空間に沈黙が流れる。
少しして、掠奈が微笑んだ。
掠奈『申し訳ございません。怖がらせない為にと……敬語でよろしいですか？』
『…っ敬語じゃなくていい！それで、いい…』
自分で怒鳴ったのに、何言ってんだ俺
そう言った自分に驚いていると、目の前にいる掠奈は嬉しそうにはにかんだ。
掠奈『そっか。じゃあ悟くんって呼んでもいいかな？』
その笑顔に魅入られて
これが俺の初恋だった。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜！いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます！ (12月17日 12時) (
レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、！いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください！ (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜！神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります！頑張ります！ (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます！五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります！ (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AO777 | 作成日時：2023年9月29日 18時
