演技やめてもいいですか？【呪術廻戦】

演技14 ページ14

甚爾「俺が払ってやるよ」




「いいんですか？」




食べ終わり、会計に行こうとすると、甚爾さんにそう言い止められた。いつもならば、私が全額払っていたと言うのに…！



私が信じられないものを見るかのような視線を向けると、甚爾さんは少しムッとしつつも立ち上がり、私の頭に手を置いた。それは大人の男性の手で、大きくて、温かくて、包容感のあるそれに父を思い出してしまう。






甚爾「お前に払ってもらってばっかりじゃ悪りぃからな」





「…そんなこと言っておいてお金あるんですか？」





甚爾「………………今日も払ってもらえるか？」





「………」






本当に格好がつかない人だ。





でも、私はそんな彼が嫌いではない。




ーーーー＊




そして今、私はコンビニに来ている。明日の昼御飯の調達にだ。幡森家からの昼御飯、朝御飯の提供はないので、全て自腹。まぁ、任務でお金は十分にあるしいいんだけどね。





私はコンビニに着くと、おにぎりやサンドイッチなど手軽に食べれるものをカゴに三つ四つと入れていく。このくらいでいいかなとレジへ向かったその時、見慣れた三人組がコンビニ内に入ってきた。






五条「なー何買う？」




夏油「蕎麦かな」




家入「夏油、いっつもそれじゃん」






「……ぇ」





流石の私も驚く。なんでいるんだここに。夜は寮から出るなと夜娥先生が言っていたけど。私はフリーズするも、段々と近づく足音にハッとする。





見つかってはまずい。五条悟に至っては、高専内で姿を見られてしまっているから特にまずい。作戦に支障が出るやもしれないからだ。私が周囲を気にしながら歩いていると、ふと話し声が聞こえてきた。





五条「んでさー美夜が抱きついてきたんだよ」





夏油「悟、美夜が婚約者になって嬉しいのはわかるけど、ノロケ話は聞きたくないかな」





家入「そうだぞ。私はまだお前の婚約者が美夜なの認めていないしな」






…本当にあの人上手くやってるなぁ




2年生達の会話を聞いて、思わずそう思ってしまう。“義妹に虐められてきた可哀想な少女”を見事に演じているようだ。本性を知っている私からすると、見れるだけで吐き気がするけどね。




さて、とにかく会計してさっさと去ろう。2年生達が、反対側で食品を見ているうちにレジで会計を済ませる。そして早歩きで外に出た。




もう大丈夫だろうと思ったその時、





五条「おい、お前！」

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