演技13 ページ13
そして、自室に戻り、幡森家には秘密で入れた任務で得た金を持って家を出た。
勿論、晩御飯を食べるためだ。義姉に遅れたから晩御飯は抜きだと言われたんでね。まぁ、出されるのは豆数個だから毎日ないに等しいけど。
あいつらは私が豆だけ食べて生きてると思っているみたいだけど、そんなんじゃ演技できる訳ないでしょうに。家族揃ってバカなのだ。
私は部屋の窓から外に出ると、術式を発動させて夜空を舞う。そして建物から漏れる鮮やかな光に照らされながら、人目のつかない場所に着地した。見られていないのを確認してから、とある人との集合場所へと向かう。
集合場所であるファミレス前には、口に傷口のあるガタイのいい男が立っていた。男は私が声をかける前に気づき、こちらを見る。
?「お、久しぶりだな」
「久しぶりですね。甚爾さん」
ーーーー*
甚爾「でお前、姉ちゃんに携帯壊されちまったのか?」
「そうなんですよ。今度は写真機能使えないようにするって。…それと義理の姉です」
甚爾「おーおー怖えな。お前の姉ちゃん」
「義姉です」
甚爾「わかった、わかった。つーかやっぱ腐ってんな、お前ん家」
目の前でステーキを頬張る彼は、伏黒甚爾。私がこのファミレスに来た時に出会った人だ。そして、毎度愚痴をこぼす相手で、夜娥先生まではいかずとも、私の家庭事情を知っている人でもある。
なんでも彼は禪院家の人間らしく、呪術界がよくわかっている。だから愚痴をこぼせるし、分かり合えるのだ。
甚爾「で、お前は義理の姉ちゃんと五条の坊ちゃんに仕返しできそうなのかよ」
少ししてステーキを食べるのを中断した甚爾さんが、そう聞いてきた。
私は弧を描いていた目元と口角を下げる。その時ばかりは作り笑みなどせず、本物の笑みを浮かべて甚爾さんを見た。
「できるじゃありませんよ。やるんです」
甚爾「…そうか」
甚爾さんは私をじっと見た後、再びステーキにかぶりついた。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜!いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます! (12月17日 12時) (レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、!いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください! (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜!神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります!頑張ります! (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます!五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります! (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AO777 | 作成日時:2023年9月29日 18時