演技12 ページ12
「失礼致します」
美夜「来たわね」
遅いとギャーギャーうるさく怒鳴るので、早めに義姉の部屋を訪れた。本当はここになどいたくない。だが、これもこいつを陥れるため。従順な人形だと思わせておいた方がいいのだ。
私が次の言葉を待っていると、義姉は私に近づき、
パチン
私の頰を打った。打たれた頰が、熱帯びて痛みを広げる。
痛いがしかし、それほどの痛みではない。が、私は義姉の思い通りにする為、いつものように痛がる演技をした。こうやって打たれることは、日常茶飯事なのだ。
「っ…！」
ニコニコした笑みから一転、頰に手を当て顔を歪ませれば、義姉は愉快そうに口角を吊り上げた。
美夜「ふふっ、痛いでしょう？もっと痛がりなさい…！」
そしてまたも手を振り上げた。私は抵抗せずに痛みを受け続ける。
痛みには、慣れているから。
黙って受け続けていると、落ち着いたのか義姉は打つのをやめ、私に手を差し出した。
美夜「携帯を渡しなさい」
「……どうしてでしょうか？」
そう言うと、義姉は嘲笑うような視線を私に向けながら言った。
美夜「そこに私の音声が入っているのでしょう？」
ああ、そう言うことか
こいつは私が七海さん達に音声を流しているのを聞いたんだ。
にしても計画まで聞かれていたならマズイ………いや、こまめに外を確認しながら話していたから、計画までは聞かれていないはず。
さて、どうしようかな。今携帯を奪われたとしても私は別に構わない。他にも録音データを保存している機器は持っている。
ならばここは、望み通りにしてあげよう。
「…！？」
私は心底驚いたような顔を作る。すると、義姉は顔を醜く歪めて嘲笑い出した。
美夜「アハハハハッ…図星なのねぇ！お前は本当にバカね！さぁ、さっさと携帯を渡しなさい！」
バカはそっちだろう
そんな言葉を飲み込みながら、私は素直に携帯を渡す。すると、義姉はそれを床に叩きつけ、足で踏み潰した。
美夜「連絡用の携帯はまた私のお古をあげるわ。今度は写真機能も使えなくしてね…！」
「…了解、しました」
そんな義姉の行動に顔を歪める義妹を演じながら、私は拳を握った。義姉はまんまと騙されていることも知らずに、クスクスと笑う。私はそんな義姉を心の中で嘲笑い返しながら部屋を出た。
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AO777 - おとひびさん» 爆笑していただけて何よりです〜！いい感じにつながっているか本当に不安だったのですが、そう言っていただけてホッとしました。ありがとうございます！ (12月17日 12時) (
レス) id: e34a889bc1 (このIDを非表示/違反報告)
おとひび(プロフ) - クマのぬいぐるみ爆笑ですwww続きがあるとは思わなかったです、！いい感じに繋がってて楽しみです✨頑張ってください！ (12月14日 21時) (レス) @page31 id: 72762186eb (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - ぷりんさん» 毎度毎度本当にありがとうございます〜！神作、と今後も言っていただけるよう精進して参ります！頑張ります！ (12月13日 21時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん - 本当に神作ですね!!更新頑張ってください! (12月12日 18時) (レス) id: 43dfb5bec0 (このIDを非表示/違反報告)
AO777 - なつきさん» こちらこそ嬉しいコメントをありがとうございます！五条さんの雰囲気づくりは大変で、手こずっていたのでそう言っていただけて安心いたしました。できる限り更新頑張ります！ (12月9日 12時) (レス) id: c3c7964942 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AO777 | 作成日時：2023年9月29日 18時
