演技やめてもいいですか？【呪術廻戦】

演技2 ページ2

私はパタンと襖を閉める。




そして自分の部屋に戻ると、周りに人がいないことを確認し、思いっきりガッツポーズをした。





「やっぱりバカね！あっさり快諾したわ！」




私は義姉をあざ笑う。





ーー姉様、やっと始まるよ。






私は携帯を開き、本物の家族が写る写真を見つめた。










さて、突然だが自己紹介をしよう。






私の名前は幡森A。






幡森家という呪術師の家庭に生まれ、育ってきた。幼い頃は、父母と姉に囲まれて、不自由のない生活を送っていた。





私が10歳になる頃までは。






私が10歳、姉が15歳の時、両親は殺された。父の弟、私にとっての叔父によって。






叔父は当主の座を奪うと、私達姉妹を養子にした。






最初は行き場のない私達を救ってくれたのだと思っていたが、違ったのだ。叔父は私達を道具として使う為に養子として迎え入れた。





結果、私達は叔父家族に虐げられ始め、学校は中退させられた。





でも、私には姉がいた。





茶碗半分しかもらえない米を分け合って、凍える夜は抱き合って生きてきた。そんな生活でも、姉がいるだけで幸せに思えた。




しかし、そんな生活もすぐに崩れることになる。あれは、雪積もる冬のこと。




叔父が、姉をお見合いさせたのだ。





五条悟という、暴君と。





案の定、五条悟は姉を拒絶した。しかも罵ったそうだ。ブスだの、もやしだの、生きる価値がないだの。



そして、そいつが姉を拒絶したせいで、姉は叔父に殺された。



無惨にも、しんしんと雪が降り積もる庭に放置されて。





ーー私は許せない。




両親を殺した叔父も、私を虐める義母と義姉も、姉を拒絶し間接的に殺した五条悟も。




だから、私は考えた。どうしたらこいつらを陥れられるかを。






「本当にやっとだよ。悪役の演技をやめて、あいつらを陥れる。まずは、美夜」






覚悟しなさい。





地獄に陥れてあげる。

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