008 ページ7
▼
俺も、アホなことしてると思う。
未だに既読だけついて返ってこないLINE。
もう軽く2週間近く送り続けている。
律儀に。
毎日1文ずつ。
別に返事を求めるわけでもなく
変に話題を振ることもなく
できるだけAちゃんが気軽に読めて
自然に日常に戻っていけるようにって
不器用ながらにも
俺なりにAちゃんを励まそうって思って。
大丈夫かな。
ちゃんと、息してるかな。
笑えてるかな。
Aちゃんのことを考えていると
俺の携帯が震える。
着信:AA
『もしもし、Aちゃん?』
「廉くん…。」
東京に来てはしゃいでいたAちゃんとは
全くもって対称的な弱々した声。
「私、どうしたらいいかわからへん...」
俺は、不謹慎やけど、
自分を頼ってきてくれたことが嬉しかった。
なんで、
出会って間もないあの子に
ここまでできるのかって聞かれると
明確な答えなんかない。
ただ、
"あの子のそばを離れたらあかん"
そう、
抗えない指令が身体中に渡って
無意識のうちに
俺はもう、
Aちゃんが
自分にとってかけがえのない
唯一無二の "ミューズ" であることに
気付いていたのかもしれない。
▲
154人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月27日 17時