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「ありがと。」
ん？何のこと？
と、思ったけど
そう言ったあと下を向いたAちゃんは
ちょっと顔を赤くしてたから、、、
盗み聞き…
あ、そう言うことか。
…
聞かれてもうたあああああああ！！！
めちゃくちゃ恥ずいやん！！！
めちゃくちゃクサいこと言うてたし俺！
まあええか、
これで俺の気持ち伝わったんならそれで。
風呂場の前を通ると
中から
Aちゃんのご機嫌な鼻歌が聞こえてくる。
それは
俺が好きな歌手の曲で
いつも家でも車でもかけている曲。
えらい長風呂やなーと思ってた矢先に
髪の毛を乾かし終えてリビングに戻ってくる
Aちゃんからは
俺と同じシャンプーの匂い。
パジャマからは同じ柔軟剤の匂いがして。
何となく意識してしまう自分がいた。
やけど、
自分の気持ちには気付いてないフリをして
Aちゃんの望む "廉くん" で居ようとするのは
俺の弱さであり、ずるさなんかな。
そうは思うものの、
Aちゃんと俺、
2人ともが自分を確立させられるまでは
このまま
気付いてないフリをさせてほしい。
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作者名：Raine. | 作成日時：2020年5月27日 17時
