学祭マジック (ページ2)

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２話ページ2

あー緊張する。
目の前には幸村くん。
私に告白してきた張本人。
これから私は断ろうとしている。
「あの、幸村くん！」
「その顔だったら答えは決まったみたいだね？」
「はい。」
体が強張る。全身に汗がにじむ。
断るのも凄く神経を使うんだ。
色んな人に告白されてきた幸村くんはこれ以上に神経を使ってきたんだろう。なんて他人事のように考えてしまう辺り、やっぱり私は「告白されている」という自覚ができていないのかもしれない。

「ごめんなさい。私は幸村くんとは付き合えません。」

良かった。ちゃんと言えた。
なのに何故か幸村くんは何も言わない。
それどころかうつむいて何かに耐えるように肩を震わせている。
「あの、大丈夫ですか？」
そう言って手を伸ばしかけたとき、
「触んないでくれる？」
そう言われ手を払われた。
空気が、変わった。
それまでにまとっていた皆が好きな王子様の幸村くんではない、違う空気。
「あ、あの……」
「あのさぁ、馬鹿じゃないの？俺が君を好きになると思う？良く考えてよ。俺と君が釣り合うわけ……」
その後も何か言われていたけれど「馬鹿じゃないの？」という言葉で、何も頭にはいってこない。
私は振られたの？
でも告白してきたのは幸村くんのほうだ。
困惑して頭が働かない。
まるで鈍器で殴られているような。
そんな感じ。
わけがわからない。