違和感 ページ12
「さっ！入ってや！」
太陽さんに促され、玄関へ入る
『...お邪魔します...』
「こっちこっち！」
靴を脱いだ途端私を早くリビングに連れていこうと急かす
『...ちょっ...行きますから...』
「おーい！皆、(そら)さんきたで！」
と、私の話をガン無視して部屋に入っていく。...おい聞け末っ子。
...そして私はすっかり勘違いしていた。
うちにこないか、と言った太陽さん。てっきり他のメンバーにも説明済みかと思ったが
「え？(そら)って...吉村さん？
なんで！？てか名前...えっ！？」
「まじ？なんで吉村さんが...？」
全員状況を理解出来てないようで、それぞれ疑問を口にしていた。
...説明しろよ末っ子。
『あー...どうも、お久しぶりです...』
開けられたリビングへ繋がる扉から中へ入り挨拶をする。なんか、船津さんとか草川さん久しぶりに顔を見たような...
「吉村さん！久しぶり！」
誰よりも早く私に声をかけてきたのはお隣の福田さん。
...お元気なことで。
「...あんのぉ...お、お久しぶりです...」
「...ふん」
船津さんも、草川さんも、不器用な素っ気ない感じで挨拶をしてくれた。...少し嬉しい。
「...吉村さんは、何故ここに？」
少しだけ口角を上げていると、不意に小笠原さんに聞かれた
『...えっ、あ、...その』
「さっき外歩いてたらたまたま会ってな！
ナンパに絡まれてたんや！それ助けたらお礼になにかしたいって言うから、
じゃあ、今日の夕飯作ってくれ、って僕が頼んだん！」
な！そらさん！、といってにっこり笑いかけてくる太陽さん
はい、そう答えつつ部屋を見渡す
『...避けられなかった、運命なのですか...』
その呟きは、何を指しているのか。誰に向けて放ったのか。彼らにはすぐに理解出来たようだ。
...吉野、さん
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作者名：ネーヴェ | 作成日時：2018年5月12日 22時
