誰ですか、貴方達【超特急】

待ち伏せ...？ ページ37

前回の話







バイトが終わり家に帰ろうとしたら、家の前にお隣の福田さんがいました


もしかして、スト...






「吉村さん！」








そんなことを考えていたら、真夜中なのでよく響く声で


名前を呼ばれた







『...あ、あの、何故うちの前に？


しかもこんな真夜中...』




よろしくない考えはやめにして、福田さんに聞く




正直に言うと、早く中に入りたい、更に欲を言うならば

私に休みをくれ




いや、そんなこと私よりも忙しい人にそんなこと言っても無駄なのは分かってる。






ぼーっと考えていると





「えっと、...その、」






何やら福田さんが口篭りながら





「ぼ、僕もさっき仕事終わって帰ってきたんだけど


たまたま吉村さんち見たら電気ついてなかったから



...まだ帰ってきてないんだなって思って、」





必死に私に説明してくれる




その姿がなんだか子犬のように小さく見えてしまって、私よりも大きい筈なのに









ちょっと可愛いな、なんて








『そうですか...でも、寒いでしょう


それに、お母様が心配するのでは...？』




可愛い、と思ったことを必死に心の奥にしまい込んで言う






すると、どこか嬉しそうで、でも寂しそうな笑顔で








「母さんなら父さんと旅行行っちゃったんだ！


なんか、暫く帰らないって言ってたから、僕一人なの」






この年になって二人はまだラブラブだから





そう付け足して言った福田さん





『そうなんですか？仲良いんですね…


...でも、時間も時間なのでそろそろ入らないと』






そう言った瞬間、福田さんの顔が明らかに暗くなった



まだ話していたい、というのが私でも分かるくらいだ。



...これだから、子犬のように感じてしまう




仕方ない、今回だけ、と自分に言い聞かせて








『...うち、入りますか？


実は、私のお母さんとお父さんも二人で旅行に行ってしまって、


...私一人なので…』








ﾊﾟｧｱｱ





まさにその擬音の通り顔を輝かせた福田さん




あ、可愛い

とまた感じてしまった







「いいの！？

わぁ！やった！」





明らかにテンションMAXの福田さんに



はい、いいですよ


と声をかけ









まだ騒いでる福田さんを落ち着かせ、家に入った

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