前髪278cm ページ46
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そうして為す術もなく連れてこられたのは梟谷の部屋。
中に入ると、先にお風呂から上がった人達が何人かたむろして、なにか作業をしていた。
その中には翔陽くんや忠くん。というか烏野1年が勢揃いしていて、こちらを見て目を輝かせた翔陽くんがすごい可愛く見えた。
「A〜!遅かった、な……っ」
『…?』
私を見て、いつも通り飛びついて来るものだと思っていた翔陽くんが、ギリギリのところで踏みとどまった。
私は完全に受け止める準備万端に両手を広げていたから、なんかよくわからない構図が出来上がった。
翔陽くんはと言うと、立ち止まり、顔を真っ赤にしたと思いきや野生動物の如く後ろにズサッと下がって行った。
『ぁえ、…?に、逃げられ…!?』
「はいじゃあぎゅう〜〜」
『あっ…!!?!?』
逃げられた、と思って少し傷つきかけたが、まだ広がっていた両手を下げるより早く、そこの隙間に黒尾さんが入り込んできた。
私と身長は近いといえど、体格では圧倒的に黒尾さんの方が上なので、あっさりと私は黒尾さんの腕に収まってしまった。
『あ、あのっ…!?ちょ、く、くろお、さん…!?』
「やべ、…閑谷チャン柔らか…細、」
周りの人は急なことで目を点にして固まっている。私だっていきなりのことで脳が追いつかない。
思考がかき乱される感じがする。
そんなことをしている間にも黒尾さんの抱きしめる力は強くなり、首元に吐息がかかってきてくすぐったく感じる。
『っ、ん…』と、声が漏れて、黒尾さんの肩が揺れる。
『く、ろお、さんっ…』
「っ、やばい…」
そう聞こえた瞬間、私の背中あたりに回されていた手が徐々に下に下がっていくのがわかった。
『…え、あ、ちょ!?』
「閑谷チャンさっきの声は反則……っぐえ!!」
やけに熱を帯びた瞳と目が合った、次の瞬間、黒尾さんは情けない声を上げて後ろに倒れ込んだ。
倒れ込んだと言うより、引っ張られた、の方が正しかった。
そのまま私も一緒に倒れるのかと思って身構えていたが、後ろから回された手に支えられ、何とか体勢を崩すことはなかった。
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((風呂での会話思い出しちゃった…目のやり場に困る…!))
((私何もしてないのに…))
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ネーヴェ(プロフ) - Wingさん» 何度も読み返して⋯!!とても嬉しいです本当にありがとうございます!!続編も頑張ります! (2021年12月19日 9時) (レス) id: 4bf44a0056 (このIDを非表示/違反報告)
Wing(プロフ) - 大学受験お疲れさまでした。何度も読み返していました。続編も楽しみにしています。 (2021年12月18日 22時) (レス) @page50 id: 8c6a1b2baa (このIDを非表示/違反報告)
ネーヴェ(プロフ) - kanaさん» 待ってて下さって本当にありがとうございます…!!息抜き程度にちょくちょく戻ってくる予定なので、気長にお待ち頂けますと嬉しいです。頑張ります!! (2021年6月8日 22時) (レス) id: 4bf44a0056 (このIDを非表示/違反報告)
kana(プロフ) - わ(*´∀`)♪更新待ってたので嬉しいです!ヽ(*´∀`)ノ大学受験なんですね(><)頑張ってください!(^-^)/ネーヴェさんのペースで更新頑張ってください!^^*応援しています!(^-^) (2021年6月8日 22時) (レス) id: f10d79eed1 (このIDを非表示/違反報告)
ネーヴェ(プロフ) - sarinaさん» ありがとうございます!頑張ってきます^^* (2021年6月8日 7時) (レス) id: 4bf44a0056 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネーヴェ | 作成日時:2020年7月5日 15時