【ハイキュー】前髪は短くてもいいのかもしれない

前髪251cm ページ18

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「や、力さんっ、急がなくていいから…っそばにいて、離れないでっ…！」









そう言われ、早足で進めようとしていた体を止めた。

よく見ると今まで我慢してきたのか涙をボロボロと流して嗚咽を繰り返している。









そんなAを割れ物を扱うような手で引き寄せて抱きしめた。

随分と冷え切った身体がガタガタと震えている。









俺が思っていた以上にこの謎の現象を、肝試し自体を怖がっていたのだろう。

たったそれだけのことにすら気づけなかった俺もだいぶ自分のことで頭がいっぱいになっていたみたいだ。









傍から見たら俺がAに抱きしめられているように見えるかもしれないけど、

Aは俺の体に縋り付くようにして腕を回してきた。









『ごめんなぁ…怖かったよな、俺も自分のことばっかだったよ』



「っひぐ、…ぅう、っく、」



『手繋いでるだけじゃ不安だったのか？

大丈夫、絶対離れないし離さないよ。』



「ひっく、ぅぐ…っふ、う…はいっ…！」









しばらくAを抱きしめていた。









「離れないで」

「そばにいて」









ただただ純粋な言葉だと言うのに、もし今ここにいるのが俺じゃなくて別のやつだったら、

同じことをそいつにも言っていたのか、と考えるとどうしようもなく黒い感情が沸き上がる。









こうやって抱きしめるのも、その言葉を聞くのも、全部、全部俺だけの特権になってしまえばいいのに、って。






心の底から思った









このまま時が止まってしまえばいいのに








一度溢れると止まらない。

くそ、こんなに余裕なかったのかよ俺。









まだ、もっと、あともう少しだけでいいから、触れていたい。









『好きだ』って、たった一言が喉につっかえて声にならなかった。









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(遅いですね二人)



(抜けがけとかしてたらマジで縁下ぶっ飛ばす)



(菅原さんってもっと爽やかなイメージでした)



(こういうのは好きなやつ限定〜)



(…そうですか)









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