孤独な怪物達

冷たい仮面 ページ37

河「急に呼び出してどうしたのですか」

川「っていうかなんで俺等まで？」

水「大事な話だから」

鶴「って言う割に光ちゃんいないけど」

あれを聞かせるには、ちょっとな…。


伊「で、何？話って」

水「…伊沢さん隠してる事ありますよね？」

伊「？何を」

水「惚けないで下さい。
証拠はいくつかあるんですよ」

伊「証拠？見せてもらおうか」


水「まず、伊沢さんの過去を誰も知らない。
人の過去は知りたがる割に
自分の事は話したがらないですよね？」

鶴「そうだね、
伊沢さんの事は聞いたことないなぁ…」

伊「…」

伊沢さんはまだ微笑んでいる。

水「次に、死神のタトゥーは左手の甲にある。
伊沢さんは左手だけ手袋で隠してますよね？
理由を聞いてもはぐらかされてしまう…
死神の手にあった、
オレンジのユリのタトゥーが
あるんじゃないんですか！？」

伊「…」

伊沢さんは微動だにしない。

水「最後、決定打になったのはこれです。
死神の仮面。貴方の部屋にありました」

伊「！？どうしてこの家に…
あの仮面は研究所に捨てたはず…どうして！」

伊沢さんが目を見開いた。有り得ない、
と訴えているのが分かった。
俺も見た時は驚いた。
恐ろしい数の目が描かれた
不気味な仮面があったのだから。

水「それは貴方が一番よく
分かってらっしゃるのでは？
この家は強く記憶に残ってるものや
懐かしいと思えるものが集まると」

伊「…」


川「…間違いない、百ヅ目(モヅメ)の面だ」

河「百ヅ目の面！？」

川「河村さん知ってるんですか？」

河「ええ、別名・呪いの鉄仮面。
所有者が程なくして死んだり、
後遺症が残るような事故に遭ったりと、
とんでもない仮面です」

伊「そうか…俺も呪われたのか…」

水「伊沢さん？」

虚ろな目をした伊沢さんがぽつりと呟いた。

死神の涙→←だれかのかこ

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