貴方は嘘つき ページ34
水「…」
本当は俺だって嫌な予感はしていた。
あの人は俺を大事な家族だって言ってくれた。
こんな俺を受け入れてくれた。
…でもそれは、俺をいいように
利用していたのではないかと
今になって疑ってしまう。
もう仲間を疑わないと、決めたはずなのに…。
ーーーーーーーーーーーーーー
例の研究所の爆発があって、行く宛がなくなった。
ここらの狼に狙われて
必死に逃げた事だってあった。
撒くのに夢中になって、
さっきどこにいたのか
分からなくなって怖かった。
狼に殺されかけた時が一度あった。
群れに追い詰められてすぐ後ろには木、
俺の周りを狼達が囲んでいる。
あぁ、もうダメだ…。そう思った時だった。
？「お前等、こんなところで何してるんだ？」
誰かが近づくと、狼達はバラバラに散っていった。
？「…大丈夫か、お前」
水「ありがとう、ございま…」
俺は立ち上がろうとして、立てずに倒れた。
ーーーーーーー
目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。
でも研究所に来た時程の恐怖は感じなかった。
あたりを見回すと机に一枚の書き置きがあった。
“一階の赤い扉の先で待ってる”
行ってみると、暖炉の火に照らされた
さっきの男がソファに座っていた。
水「あの…」
？「…ここおいで」
とソファをぽんぽんと叩く。隣に座ると、
暖炉の火に照らされながら
俺をまっすぐみて言った。
？「君には行く宛はあるの？」
水「…ない」
？「ならここに住めばいい。君、名前は？」
水「…水上颯」
？「この家は好きに使ってくれていい。
さっき君がいた部屋も君のものだ」
その人はふにゃと笑ってみせた。
？「外寒かっただろ？おいで」
俺がその人に縋るように抱きついてみたら
とても温かかった。
あの温もりを俺は今でも覚えている。
ーーーーーーーーーーーーーー
あの人は俺の過去を知りたがるわりに、
自分の過去は話したがらない。
いつも躱されて、はぐらかされて、
あの人の過去はほとんど聞いたことがない。
恐らく俺にも、誰にも言えない“何か”を隠してる。
“俺を信じろ。水上”
伊沢さん…。そう言うなら貴方も俺を、
皆を信じて下さいよ…。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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舞羅(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます！上手く書けているか不安でしたが、褒めていただきありがとうございます！これからも更新頑張っていきますので何卒応援よろしくお願います！ (2019年8月12日 17時) (
レス) id: 87a569fea6 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - コメント失礼します。最新話も全て楽しく読ませていただいています！ すごい引き込まれるストーリーで、、また、もしできたら、QKの山本さんが伊沢さんの兄弟、またはそう勘違いしている、ような役も見てみたいです！ (2019年8月11日 16時) (レス) id: 2d73923682 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 最新話読ませていただきました！いつもみんなを引っ張ってる伊沢さんが重い闇を抱えているのが、ストーリーとしてとてもいいと思いました。次の更新楽しみにしています (2019年8月10日 23時) (レス) id: 369865cb7c (このIDを非表示/違反報告)
舞羅(プロフ) - イリュージョンガールさん» ありがとうございます！褒めていただきとても嬉しいです！これからも更新していきますので応援よろしくお願いします！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: 87a569fea6 (このIDを非表示/違反報告)
イリュージョンガール - コメント失礼します、話の進め方がすごくお上手で引き込まれました。続きも楽しみにしています！ (2019年8月2日 22時) (レス) id: db4ab86eb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：舞羅 | 作成日時：2019年6月8日 19時
