孤独な怪物達

秘密 ページ3

伊『鶴崎君、今日の朝ご飯何？』

？「スクランブルエッグとトースト、
あとサラダです」

遠くからでも通る伊沢さんの声。
遠目から見たら、あれ？隣に誰かいる…？

？「伊沢さん、そこにいるのは誰ですか？」

伊『今日警察の人に保護された身元不明の少女！
…なんてな。研究所にいた子らしいんだけど、
名前が分からないらしくて
俺達で考えてつけようって事になった。
鶴崎君も考えといてな！』

？「は、はぁ…」

いきなりの事だし情報量が多いし、
まだこの状況を飲み込めてないんだが…。
まぁいいか。

？「こっちおいで」

？『わわ…むぅ…』

その子を抱きしめて頭を撫でた。


伊『！！ちょっ、鶴崎君！』

鶴「はい？あっ！」

ふわふわしてるであろう大きな尻尾と、
文字通りふわふわなけも耳が生えていた。

鶴「妖狐…ですかね」

伊『そうだな』

？『？？？』

話についていけない、この人達何の話をしてるの？という顔をした狐の子は僕の服を引っ張った。

鶴「あぁ、ごめんね。ちょっと説明するね。
僕等も君と同じで普通の人間じゃないんだ」

？『え…？』

鶴「伊沢さん、お願いします」

伊『はいはい…』

その瞬間、伊沢さんが“変身”した。

頭のくるんと巻いたツノと長い矢印状の尻尾。
更には目が妖しく紅く光っている。

伊『これで分かってもらえた？
俺達も君と同じ“バケモノ”なんだよ』

伊沢さんが数秒手でその子の目を隠して
手をどけると普通の姿に戻っていた。

伊『…その話は後でいいか。ご飯食べよ』

鶴「あ、水上起こして来ますね！」

僕等の慌ただしい一日が今日も始まる。

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