孤独な怪物達

その名は『絶望』 ページ13

伊「…」

まぁそうだよな…。

鶴「伊沢さんどうしました？浮かない顔ですが」

伊「あ、なんでもない…ちょっと考え事してた」

鶴「…」

ジッ、とメガネの奥の鋭い目を向ける鶴崎君。

伊「？」

鶴「…嘘ですね」

伊「え？」

鶴「伊沢さんは嘘を吐くときに首元をかく癖があります」

伊「は？」

鶴「首元をかく事がほとんどですが、
まれに瞬きが多くなる事もありますね」

伊「鶴崎君、その観察力何…？」

鶴「先程からずっと伊沢さんは
繰り返し溜息をついています。
何かあるんだろうなと思って聞いたら
自滅したので心当たりどころじゃなく
確実に彼奴だと犯人の目星がついてるんだなと
思いました」

相変わらず鋭いな鶴崎君…。

鶴「その犯人と研究所にいた時同室だったとか？」

伊「なんでそんな的を射た事ばかり言うかな…」

恐ろしい程に言い当てられて冷や汗をかいた時だった。

光「伊沢さん、伊沢さん」

伊「ん？どした光ちゃん」

光「水上さんは？」

伊「そこら辺にいるだろ？」

光「探したんですけどいなくて…」

光ちゃんの言う通り水上がどこにもいない。
これは明らかにおかしい。

鶴「勝手に一人で帰るような奴じゃないし…」

伊「探すぞ、水上！水上！」

鶴「水上！いたら返事して！」

光「水上さん！水上さん！」

思いつく所は探したが、
家にもどこにもいなかった。

光「そんな…」

鶴「ちゃんと見ていればよかった…」

伊「今自分を責めたって仕方ないだろ？」

鶴「水上はどこに…」

伊「恐らく…犯人のテリトリーの中だ」

光鶴「「え！？」」

ーーーーーーー

伊沢の推測通り水上はローブの男に捕まっていた。

水「なんのつもり？俺だけとっ捕まえて。
まさか俺人質？」

？『ソウダ』

水「きゃー助けてとでも言えばいいの？」

？『ソノ必要ハナイ』

男が持つ鋭いなにかが水上を突き刺した。

水「！？っ…あ、うぅ…」

？『安心シロ、死ニハシナイ。
オ前ガ実際ニ苦シンデイルトコロヲ
ヤッテモラウダケダ』

水「チッ…悪趣味な奴…うっ」

？『何トデモ言エ。生カスモ殺スモ
我次第ダトイウ事ハ忘レルナヨ？』

水「いちいちうるせぇな…」

ーーーーーーー

作者より

どうも舞羅です。

水上さんのあの一件がありましたが、流石にキザな事を言える人ではないのでは？とも思ったので…。あんな事するはずが無いと信じて最後まで書こうと思っています。

お知らせは以上です。

取引→←第二章 変わる俺と変われない彼奴

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